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- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第164号 シニア世代のネット通販事情
60 歳~65 歳のネット普及率は73.9%―。
2011 年の総務省・通信利用動向調査で、シニア世代のネット利用の実態が明らかになった。現役時代にビジネスツールとして、PC やモバイルを活用していたこの世代は、退職後も、フェイスブックをはじめとするSNS を自在に操って仲間と交流したり、ネット通販を楽しんだりしている。
もはや、ゲートボールがシニア層の代表的な娯楽であった時代は、遠い昔話だ。
この世代は、日本経済の成長期を支え、かつ恩恵を受けた年代で、数々の成功体験や激しい競争で培った知恵を備え、自身の若さについても、大いに自信を持っている。
つまり、非常にアクティブで前向きであり、それまでのシニア像とは明らかに異なるのだ。そういった特徴が、ネット通販利用率約90%という数字にも、如実に表われている。
「価格が安い」「いつでもどこでも買物ができる」「商品の比較がしやすい」というネット通販のメリットを若者と同様に享受し、合理的な買物に余念がない。
また一方で、「習い事などの自己研さん」の他、「地域貢献」や「社会貢献」への興味度が高く、シニアマーケティングにおける一つのキーワードとなっている。彼らは、会社に代わる自分の居場所を探し、第二の人生を積極的に考える世代なのだ。
では、このシニア世代に向けて、どのような通販商品を開発すれば売れるのか―。
その秘訣は、「安い」「便利」だけでなく、彼らを引き付ける思想性を商品に反映させることである。単なる開発ストーリーで
はなく、社会性を伴った思想に昇華させるのだ。
これからは、社会における企業の存在価値、商品価値を意識した商品開発とマーケティングをしていくことが、シニア世代の攻略には欠かせないのである。