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戦略・戦術

第203号 164円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、今年3 月31 日で廃止されたクロネコメール便に代わって、新たに4 月1 日からスタートした投函サービス「クロネコDM 便」の上限金額である。
 
 クロネコメール便は、年20 億冊強の取扱数があり、カタログやパンフレットといった販促物などの配送に使われることが多く、約9 割を法人が占めていたが、利用者が知らないうちに手紙・領収書・請求書などの信書をメール便で送ってしまい、郵便法違反に問われるリスクがあるため廃止することになったという。
 
 このメール便市場をフォローする「クロネコDM 便」は、ヤマト運輸と契約した法人や各種団体、個人事業主限定の新サービスで、メール便と同様に受領印を必要としないカタログ・チラシ・パンフレット・リーフレットといった、広告関連の商材や販促物などを全国に送ることができる。
 
 また料金については、郵便の代替としての利用を防ぐため、定価を設けず、上限金額だけ「クロネコメール便」の上限に合わせて、全国一律164 円に設定。数量やお届け先の地域ごとの仕分けなど、出荷形態に応じて、顧客単位で配送料金を決定するとしている。
 
 セールスドライバーによる集荷や、配送状況が確認できる追跡サービス、365 日営業で発送できる点などを特長としてあげており、配送日数の目安はメール便と同等で、配達日時・曜日の指定はできない。なお、大きさは、縦・横・高さの合計が60cm 以内で、厚さ2cm 以内、重さ1kg 以内となっており、長3 封筒のDM は利用できる。
 
 さらにヤマトは、同じく4 月1日から新たなサービスを2つ投入している。1つは、法人だけでなく個人も利用できる対面配達サービス「宅急便コンパクト」だ。現在の宅急便の最小サイズ「60サイズ」よりも小さな専用BOX2 種( 縦24.8×横34cm /縦25×横20×厚さ5cm) を各65 円で用意。宅配便同様に手軽に送れ、①クロネコメンバー割 ②デジタル割 ③持込割―という3 つの割引サービスを適用すると、通常料金594 円が最大割引時は354 円まで安くなる。
 
 もう1 つは、全国翌日配達の投函サービス「ネコポス」だ。角形A4 サイズ(31.2cm 以内×22.8cm) 以内、厚さ2.5cm 以内、重さ1kg 以内の小さな荷物を投函する、法人・個人事業主向けのサービスで、フリマやオークションサイトとの契約も行っている。クロネコDM 便と同様に、発送地にかかわらず全国一律で、やはり料金は荷主との相対交渉となる。
 
 時流を読んだこの3 サービスにより、日本郵便との差別化を図りながら、宅急便の大改革を推し進めているヤマト。宅配サービスは、我々の通販業務に直結するだけに、ヤマトの新しいビジネスモデルから目が離せない。
 
 
 
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