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- 第244号 ネットがテレビを抜く日
電通の子会社で、海外事業を統括する電通イージスネットワークは、2018 年の世界の広告市場が4.3%増の5,876 億ドル(65 兆2,200 億円)になると予測。その中で、ネット広告費が全体の37.6%を占め、これまで圧倒的な地位を築いてきたテレビの広告費(35.9%)を上回ると発表した。
これは、全世界でスマホの普及が進んでいることが大きく影響している。ネット広告では今年、スマホなどのモバイル向け広告が56%に達し、パソコン向けを抜く見通しで、中でも動画広告やSNS 向け広告が急伸している状況だ。
当然、日本も同様のデジタルシフトが進んでいる。先に電通が発表している「2016年 日本の広告費」によると、2016 年に日本のネット広告費(制作費は除く) は初めて1 兆円を突破。テレビ広告にはまだ及ばないものの、成長率はテレビの1.7%に対し、ネットは13.0%と二桁成長しており、マスコミ4 媒体の中で突出した成長率となっている。日本においてもネット広告がテレビ広告を抜くのは時間の問題で、オリンピックイヤーの2020 年に逆転するという予測も出されている。
オリンピックというと、私はテレビで見るのが当たり前と思っているが、それはどうも中高年以上の感覚のようで、若年層はスポーツもニュースもドラマも「スマホで十分」と考えているという。このように若者のテレビ離れが顕著になり、またネット広告の種類の豊富さや費用対効果の面から、企業は年々、ネット広告の比重を高めている。
このデジタルシフトにより、ニッチメディアだったネットと、メディアキングだったテレビが肩を並べ、コンテンツ共有などによる二大メディアのボーダレス化が加速していくはずだ。