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人事・労務

第5講 二つのウェルビーイング経営の違い

顧客・社員・社会から支持される「ウェルビーイング経営入門」

5 広義のウェルビーイング経営のメリットとは

 広義のウェルビーイング経営とは、ステークホルダー全体の幸せを追求することで、持続的な成長を実現するアプローチですよね。その広義のウェルビーイング経営には、以下のようなさまざまなメリットが存在します。

➀イノベーションの促進

 広義のウェルビーイング経営では、単に利益を追求するだけでなく、ステークホルダーの幸せを実現しようとする姿勢が重視されます。この姿勢により、顧客のニーズを深く理解し、新たなサービスや製品の開発が生まれやすくなります。ユーザーインタビューや顧客の声に真摯に向き合うことで、意外なニーズやイノベーションの可能性を発見することができます。また、最近は、CO2削減など、環境に配慮した製品の市場が急拡大しています。ESG投資の動きも盛んです。こうした流れも、環境そのものをひとつのステークホルダーとして明確に設定したことから、拡大がスタートしたとみることもできます。

➁信頼のブランディング

 ウェルビーイング経営を推進することは、企業が環境や社会への責任を果たすという意思をはっきりと示すものです。この姿勢は顧客からの信頼を築く上でとても重要です。というのも、現代では消費者の意識が高まっており、環境への配慮や、人権を意識した、差別のない企業行動が求められています。環境や人権などに配慮しない企業情報は、あっという間にネガティブなレピュテーションとして拡散され、企業にとっての大きなダメージとなってしまいます。逆に、広義のウェルビーイング経営をしっかりと実践して、それを伝えることができれば、自社のブランドへの信頼価値を高めることができます。

➂人材獲得の競争力

 最近の世代ではウェルビーイングやSDGsへの関心が高まっており、特にZ世代以降はウェルビーイングネイティブと呼ばれる世代です。ウェルビーイング経営を掲げる企業は、この世代から選ばれやすい会社なのです。つまり、従業員が自身の幸せと社会的な意義を感じられる環境を提供することで、優れた人材を獲得する競争力を持つことができます。

 

 以上のように、広義のウェルビーイング経営にはイノベーションの促進、信頼のブランディング、人材獲得の競争力向上といったメリットが存在します。これらはすべて、これからの時代に、企業の持続的な成長と社会的な責任を実現するために重要な旗印となるでしょう。

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