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人事・労務

第7講 リーダーの承認力が人を伸ばし組織を救う

顧客・社員・社会から支持される「ウェルビーイング経営入門」

〇承認の3つの対象

 このように、組織の鍵を握る「承認」ですが、その対象を3つにわけてみるとコツがつかみやすくなります。3つの対象とは、行動、結果、存在です。

1 行動への承認

 これは、相手が行っている行動自体を認めることです。

 例えば、
  ・集中して仕事ができているね
  ・お客さんに丁寧に接していたね
  ・今日のプレゼン、とてもわかりやすかったよ
 などと、相手の具体的な行動を観察して言葉で承認しています。

 これは望ましい行動を明確にし、その行動が継続することを支援します。

 

2 結果への承認

 行動によって得られた結果を認めるかかわり方です。
  ・売上目標を達成できたな、すごいな!
  ・コンペで優勝できたのは〇さんのおかげだよ

 これは望ましい結果を共に喜ぶ行為でもあり、互いに充実感が得られます。ただ、結果承認は、結果が出た時にしかできないため、普段から承認を続けるためには、結果承認だけではなく、行動承認や、次の存在承認を意識することが大事です。

 

3 存在承認

 そして、意外と忘れがちなのが存在承認です。これは、相手がいてくれること自体を認める、感謝するかかわり方です。

  ・あなたと仕事ができてうれしい
  ・同じチームでいてくれてありがとう
  ・これからも一緒にがんばろう

 といった声掛けがその例です。このような声掛けをされると、じわじわと喜びが沸き上がり、この組織に貢献したいという意欲も増してきます。

 

〇一番大事な承認はどれ?

 さて、この3つの承認の中で、最も大事なのはどれでしょう?

 それは、存在承認です。しかし、一番忘れがちなのも存在承認です。

 では、存在承認をせずに、行動や結果だけ承認しているとどういうメッセージになるでしょうか。

 それは、条件付き承認メッセージになります。「あなたがこういう行動をする限り」、「あなたがこの結果を出す限り」は、存在を認めてやるというメッセージになってしまうのです。

 こうしたメッセージを受け取ると、望ましい行動をしないと、結果を常に出さないと、自分は組織にとって無価値であると受け取られかねません。この状況では、失敗も許されず、安心もできず、弱みや失敗を示すことは危険だと認知される可能性もあります。もちろん、望ましい行動が出てきたら、しっかりとそれを承認し、結果が出たらそれもともに喜び、承認することが大事です。

 ただ、それだけではなく、存在自体を普段から承認し、居場所をしっかりと作りあうことを、リーダーは特に意識してみましょう。

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