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人事・労務

第7講 リーダーの承認力が人を伸ばし組織を救う

顧客・社員・社会から支持される「ウェルビーイング経営入門」

〇承認が不足する職場で起きること

 では、職場での承認が少ないとどうなるのでしょうか。承認とは、相手の言動や存在を認めるかかわり方のことです。ということは、承認を行わないならば、相手は自分の言動や存在が認められていない、つまり無価値だと感じることになります。

 自分が認められず、無価値だと思われている場所に、みなさんは行きたいと思うでしょうか?自分の存在が認められない場所に、居続けることができるでしょうか?

 多くの人にとって、自分が認められていないと感じる場に居続けることはとても難しく、時には苦痛にさえなります。

 

〇リーダーの仕事は居場所を作ること

 承認が足りないと離職が増えるとされています。その仕組みは、子供のケースでシンプルに説明できます。

 例えば、子供が、何かのきっかけでクラスのみんなから認められないと感じると、疎外感から教室に行くのがつらくなります。これは、教室に「居場所」がないと感じている状態です。教室に居場所がなくなると保健室に行くかもしれません。保健室にも、学校にも居場所がなくなると、不登校になるでしょう。また、家の中に居場所がなくなれば、家出をしてしまいます。

 これらと同じことが、仕事でも起きます。つまり、職場に居場所を感じられなくなると、職場に行くことができなくなり、離職につながってしまうのです。

 このように、人はいつも「居場所」を求めており、居場所の感覚が失われるとそこから離脱してしまいます。では、職場に居場所を感じられるようにするにはどうしたらいいのか、その一つの答えも「承認」にあります。自分が認められていると感じられる職場を作ることは、経営者やリーダーの最大の役目だといっても過言ではないでしょう。

 

〇承認ってほめること?

 承認というと、ほめ言葉のことだと思っている人もいるかもしれませんがそうではありません。承認には、大げさな誉め言葉は必要ないのです。

 例えば、「おはよう」「調子はどう?」「何か心配ごとはない?」「いつもありがとう」「この間のレジュメわかりやすかったね」など、シンプルな言葉でも十分な承認になります。むしろ、こうした小さな承認の積み重ねが大事です。

 みなさんの職場では、こんな承認の言葉は飛び交っているでしょうか?経営者やリーダーの皆さんは、周りの人にこんな言葉をしばしばかけているでしょうか?

 もし、こうしたやりとりが、職場でしっかり交わされているならば、その職場は、互いの「居場所」として機能しているといえます。

次のページ承認の3つの対象

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