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人間学・古典

第二十三話 「鶏口牛後」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

中国の戦国時代、強国秦の代に中小国の燕、趙、韓、魏、斉、楚の六カ国が存立を競っていた。
いずかは弱肉強食の世。秦に亡ぼされることは必条。中小国の存立には六カ国が同盟を結ぶ以外にない。
これを悟った楚秦という男、六カ国の同盟のためそれぞれの国王を説き迫った。

そのときの口説文句が“むしろ鶏口となるも牛後となるなかれ”である。すなわち、同盟を結ばず
秦に併合されて牛の尻尾のように服従するよりも、同盟によって独立を確保し、独立国家として
鶏の口ばしのように体面を維持すべきでしょう、と。実に巧みな口説文句であった。これによって
楚秦は六カ国の宰相を兼ね、家に帰ったという。

急転、話は私事になるが、歳が十五、六年ごろともなると戦争色も濃くなった頃であるが、
当時埼玉県下には普通銀行四行と個人預金を専門としていた貯蓄銀行が
普通銀行三行の子銀行として存在していた。

私は当時武州銀行に入行してた。その小銀行の武州貯蓄銀行は、男子は行員二名と
女子行員十名足らずのいわば名ばかりの独立銀行、社屋も金庫室もない。金銭出納、帳簿などは
別だったが、まさに居候銀行のみじめな独立銀行だった。

ところが、戦争色が濃くなり、戦費調達のため一家一冊を目標に奨励策が実施され、その窓口が
武州貯蓄銀行ということになったが、総勢十名余では全くの人手不足。外部からの募集も全くの不可能。
男は兵役、女は後方任務。親銀行から求める以外にない。

当時私は二十才半ば。兵役は短身理由の兵役免除。銀行の支配人から再三の誘い。あるとき
思い浮かんだのが、鶏口牛後の故事。親銀行にいたのでは役付行員にはなれまい。
この際、鶏口の道を選んでやれと思い切った。間もなく支配人代理付という辞令をおしいただいた。
太平洋戦争になり、銀行も一行主義に従って埼玉銀行一行になったが、私の肩書きは変わらず、
本部営業部長代理。鶏ならぬ雀の口ばしぐらいになったと思った。


※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

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