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第四十話 過ぎたらダメ(スカイ.A)

社長の口ぐせ経営哲学

世代交代が上手くいけば企業は生き残れる。
30年間続いた空気・換気設備(ダクト工事)の専門設備業の会社「株式会社スカイ.A」(ス カイ ドット エーと呼ぶ)も
父親から娘へバトンタッチしてスタートした会社(埼玉県川口市)である。

30代の女性社長・中嶋千亜紀氏は「空建」(父親が起こした前身の会社)から「エアのイニシャルと1から始まる
ということでA」に、こだわりを持って、今年4月に名称変更をした。父親は職人エキスパートとして相談に乗っている。


「空気をデザインする会社」をスローガンに、大型の建物の管工事から飲食店のダクト工事まで幅広く事業展開している。
「店内の空気の流れを良くするために は給気と排気のバランスをプラス、マイナスゼロにすることが必要。
排気だけを重視していると給気が疎かになりなりがち。人間の深呼吸と同じ」という。目に 見えない設備部分だけに、
開業後、いろんなトラブルも起きやすく、責任ある工事屋に依頼しないと店の営業にも影響することも少なくない。


経営信条で大事なことはバランスという。
母親(昨年なくなった)の遺言が「何でも過ぎたらダメ。程よいところで行動しなさい」というものだった。
仕事のうえでも社員に対して
「過ぎたらダメ」「アピールし過ぎてもダメ。やらないのもダメ。加減が難しいが、バランスを とろう」と呼びかけている。
自社の仕事の責任を全うしようという、当たり前のことだが、そこに徹底している。
新しいやり方を取り入れながら、現場 解決の姿勢で動いている。


社長に就いた時、現場の担当者から「現場の仕事のこと2割は理解してください」と注意された。
営業中心に仕事を進めていただけに、その後、現場の声を聞い て動いたという経験を持つ。
現場職人は男性社会である。
コミュニケーションが大事だという。中嶋社長は会社の人間関係と人間の体は一緒である、という。
体の部位(目、鼻など)一つ一つは大事、会社の社員の一人一人、誰が欠けても上手くいかないという考えである。


中嶋社長は飲食店へのダクト工事の営業をどうすればいいか、悩んだときがあった。
人手が足りないから1軒1軒当たっていたら効率が悪い。
あるヒントが沸いた。「飲食店さんが多く集まるところはないか」と考え、中古厨房の大型店に目をつけ、
交渉して、店内に同社の展示ブースを開設した。
ここでは「空気・換気」に関する問題点の解決方法と厨房空間の理想的パターンの提案を展示している。
「お客さんに喜んでいただける工事屋になりたい」という願いを持ちながら 積極的に事業を進めている。
 

 

                                                             上妻英夫

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