EV(電気自動車)メーカー・テスラのイーロン・マスクCEOが、twitterの全株式を取得する買収が合意に至り、今後は株式を非公開化するという。
マスク氏は発表文で、「言論の自由は民主主義の基盤であり、twitterは人類の未来に不可欠な問題が議論されるデジタルタウンスクエアだ」とtwitterの存在を高く評価しており、今後は改善を加え、サービス開始当初のような自由な気風が生まれる場にして行くと見られている。
最近のtwitterは「悪意を持った発信」などを監視し、アカウント凍結を行う措置を取ってきており、昨年1月にはトランプ前大統領の公式アカウントを「暴力をさらに扇動する可能性がある」と判断して永久凍結している。
マスク氏のtwitter買収により自由な発言が活発化する一方、プライバシー保護やセキュリティの強化を求める人々からは不安を持つ発言も出ている。
米議員でも、ジョーダン下院議員(共和党)は「言論の自由が復活しようとしている」と歓迎、それに対してウォーレン上院議員(民主党)などは「私たちの民主主義にとって危険なもの」と評している。
twitterは利用者数からみれば、Facebook(29億人)、WhatsUp(20億人)、WeChat(12.6億人)に対して3.3億人と多くはないが、著名人、政治家、活動家などの発言も活発で、ニュースに取り上げられることも多い影響力の大きなSNSだ。
また利用者の13%以上が日本で登録されているなど利用が多いため、企業などは今後の変化を注視している。
twitterは通常のSNSとは違い、相互フォローして「友達になる」のではなく、意見や情報を読みたい人を一方的にフォローするものなので、友達に気を使って「いいね」するなども不要だし、発言や情報を自ら分類する「#(ハッシュタグ)」というラベルが付けられるので、tweet全体から欲しい情報を検索することもできる。
サービス開始直後の日本人はIT系の人達だけで、仕事中の「腹減った」「疲れた」などのtweetばかりだったが、東日本大震災の時に、現場の被災地にいる人からの声や写真が発信されるなど真価を発揮する状況となり、それがニュースで取り上げられて広まった。
その場に居合わせた人がリアルタイムに情報をtweetできる速報性、困った時に問題を打開する知恵を集められるなど、開始当初に思い描いたtwitterのメリットがイーロン・マスクの買収によって活発に利用されることを期待している。
======== DATA =========
●twitter
https://twitter.com
●イーロン・マスクtwitter
https://twitter.com/elonmusk
●トランプ前大統領の凍結アカウント
https://twitter.com/realdonaldtrump