前回、「仲間をフォローする習慣」についてお話しました。今回は、「教育方針を決めて、目標に向けて少しずつ成長させていく方法」についてお話します。
皆さんは「Z世代」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが、まさにその世代の方々が新入社員として入社してきています。Z世代とは、1990年中頃から2010年代生まれの人を指す言葉です。物心がついたときからすでにデジタル技術が発達していて、インターネットやオンラインの世界に慣れ親しんでいるのが特徴です。買い物一つを取っても、情報収集はネットで幅広く調べ、「納得」して選ぶ傾向があります。ですからそのあたりを頭に入れての指導が求められます。Z世代の人が社会に出てお客様対応をするとき、お客様がZ世代の方ばかりではありません。リアルな対面がほとんどいう年齢層のお客様もいらっしゃいます。もちろん個人差はありますが、リアルな場面でのコミュニケーションについては、得意でない方のほうが多く見うけられます。仕事は頭の中でするのではありませんから、教えたい項目は頭で描くよりもさらに具体化・細分化した指導をなさるとZ世代の新人さんにとっては馴染みやすいでしょう。小さな成功体験が増えると自信に繋がります。
私は新人研修にも携わっているため、春には接遇の基本の「笑顔」・「挨拶」・「身だしなみ」・「態度」・「言葉遣い」・「電話応対」などを教えています。声を大にして新人さんに伝える項目は、「笑顔」です。お客様にお見せする「笑顔」は、社歴には関係なく会社のベテランの方と、入社したその日から競争ができます。入社一日目からお客様に笑顔をプレゼント出来ますから、笑顔は会社の役に立つ重要な項目です。世代の特徴とすると、顔の表情筋をあまり使わずに画面を長時間みる毎日を過ごしてきています。本人からスマホを借りて笑顔の写真を撮らせてもらい、本人と一緒に確かめると、笑顔に見えない場合が多いのです。さらに今なおコロナ禍ですから、マスク着用で瞬時に「笑顔」を伝えるのは大変難しいです。
Z世代の方々も鑑みた私の笑顔の講義のメニューは、以前より具体化・細分化して進めています。
① 笑顔の効用を「自分にとって・相手にとって・第三者にとって」の三方向から考えてもらい、笑顔の理解を促す
② 表情筋のうち、特に笑顔に使う「口輪筋・大頬骨筋・眼輪筋のトレーニング
③ マスクなしの笑顔の撮影と確認。(100%出来るまでトレーニング)
④ マスクありで笑顔の撮影と確認。(映像をチエックすると、たとえ本人がマスクの下で笑顔をしていても映像ではノースマイルに映っていることを納得してもらう)
⑤ Withマスクでは、目元がニコニコマークの目のような曲線にならないと、相手に笑顔と伝わらない。頬の筋肉を出来るだけ目に近づけることがポイント
⑥ 最終段階は、「笑顔で話す」です。この段階では、先ほどまで素敵だった笑顔がストンと消えてしまうことが殆どです。理由は「話す」内容に意識がいってしまうので笑顔をキープする余力がないのです。そのため話す内容を五段階位に分けて高度にしていきます。(最初はそれこそ「好きな食べ物は何ですか」などからスタートしてください)話す内容が濃くなっても笑顔がキープ出来たら合格です。笑顔が飛び交う現場はそこの大気が明るく、お客様に「来て良かった!」と思っていただけます。これは電話応対にも活かせます。明るく元気な応対は会社の評価にも繋がりますから、あなたの判断で次のステップとして、電話に出ることを指示なさってください。特に新人さんにとって出来ることが増えることは、成長を実感できるポイントです。
⑦ Withマスクで、笑顔で話している様子を今度はスマホのビデオで撮影と確認。
以上がZ世代を念頭に入れた私の「笑顔」の指導の仕方です。是非あなたの「笑顔」のご指導に取り入れてください。その次に、御社に必要な項目も同じように細やかにどんどん進めて頂けると嬉しいです。
「確実に出来る」を積み重ねて嬉しく感じているこの時期は、「会社への貢献にもなる」を伝えて「実感として」理解出来るタイミングでもあると考えます。
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