今から15年も前ですが、「病気の分類は全部で五つ」という項目が書かれた本に出逢いました。それはもう衝撃的でした。
「現代医学には星の数ほど病名があります。医学が発達すればするほど、新しく病名が追加されます」と切り出したその項目には、「病理学で分類すると、病気の種類は、先天性異常、炎症、腫瘍、血液・体液の循環障害、変性疾患、免疫の異常、外因性の病気のわずか七つに分類されるだけです」(中略)そのうち、「生きている間に起こってくる病気は、つきつめて次の五つにしぼられていきます」と書いてありました。
その五つとは、
(1)炎症
肺炎、気管支炎、膀胱炎、肝炎などの××炎とつくすべての病気
(2)腫瘍
良性のものがイボ、ホクロ、ポリープなど。悪性のものが、ガンと肉腫。
(3)循環障害
高血圧、低血圧、脳血栓、脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞、むくみ、痔、静脈瘤など血や水分の循環が悪くて起こる病気
(4)変性疾患
肥満、糖尿病、結石症(腎臓結石、胆石)など、代謝が悪くて物質が沈着して起こる病気
(5)免疫の異常
気管支喘息、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎、アレルギー性腸炎などのアレルギー。リウマチ、SLE、潰瘍性大腸炎、橋本病、クローン病、血小板減少性紫斑病、間質性肺炎などのいわゆる難病のほとんどを含む自己免疫疾患。
著者は、西洋医学医でもあり、東洋医学にも造詣の深い石原結實(いしはらゆうみ)先生。本のタイトルは『病は“冷えから”』。
医学の本質を爽快なまでにズバリと説いた内容が15年経った今でも忘れられません。石原先生と言えば、にんじんジュース、生姜湯などでテレビにもよく出演されています。その著書はなんと国内外合わせると200冊以上になるそうです。(すごい!)
書店の家庭の医学コーナーには、先生の本が必ず5、6冊は置かれています。私たちのような健康関連のカウンセラーにとっては、東西医学の融合を古くから訴えるドクターとして有名でした。
先生が主宰する伊東市にあるヒポクラティックサナトリウムという断食を行う保養所は、東洋医学を取り入れた独自の食事療法を指導がなされており、基本的には一日9杯のにんじんジュースと、具なしの味噌汁1杯で過ごします。
保養施設はゴルフ場に囲まれていて、ゴルフで汗を流すもよし、読書三昧もよし。早朝に周辺を散歩、午後にはスポーツジムというプログラムなどもあります。
夕方は温泉にサウナ、そして体に生姜湯に漬かした湿布を背中とお腹に巻きつけることにより、肝臓や腎臓の動きを活発化させ毒素を排除するといったメニューも。
この施設は国会議員や有名人もよく通っており、かの石原慎太郎氏、渡部昇一氏も石原先生との共著を出すほどのファンだそうです。
半断食は、病気や体調不良の改善にはもちろん、石原慎太郎氏との共著には、消化器系に奪われるエネルギーが最小化されるために、頭がシャープになり、能力開発的な効果にも一役買うのではないか、という指摘もされていました。
いまの医療制度の中で、ほんとうにすさまじいまでにご自身のポリシーを貫かれている希有なドクター。先生の考え方はもちろんのこと、その凛とした姿勢に非常に勇気づけられます。
そんな石原結實先生を15年の歳月を経て、はじめて自然治癒力学校にて講演会にお招きすることができました。
詳細) http://naturalhealing-school.org/
もう、今からワクワクして眠れません。先生の数多くの著書の中では、私がお奨めしたい本は、『超健康法』講談社/2005年4月
この本こそ、密かに先生の代表作ではないかと思っています。
まえがきに「本来、医学とは患者を医やす学問という意味であるのだから、西洋医学や東洋医学の間に垣根などあるはずはないのだ」とあります。まったく新しい医学のステージ=東西医学。この本は、私のバイブルになっています。
『「前兆」に気づけば病気は治せる』三笠書房/2005年11月
『病気は顔に書いてある』廣済堂出版/2008年3月
自然治癒力学校を主宰する私にとって、もっと自分のカラダに関心を持とう!というのは第一のテーマです。カラダの力を信じよう。そして、自分自身が自分のカラダの最高の主治医でいよう。自分のカラダに対するアプローチのヒントが上記二冊には詰まっています。
今の医療制度の中で、お医者さんという仕事は本当にたいへんだと思います。病院経営のため、いかなる患者にも公平性を保つため、多くのドクターがまさしく「私」を捨てて、現場で出来る限りの努力を重ねられています。
私のカウンセリングオフィスには、「先生」と呼ばれる仕事、学校の教師、議員さん、そして、お医者さんも数多く訪ねてこられましたが、中でも「まじめな」お医者さんの疲れようは、本当に痛々しいばかりでした。
プライドと、周囲からの期待と、自分の本来の理想との間で、葛藤を繰り返しながら、それでも毎日現場に臨む。お医者さんだって人間ですから、医者だからという肩書きを外したい時だってあります。「先生」と呼ばれる仕事のプレッシャーとは、私たちの想像を超えたものです。
そんな中でも、理想を追求し続け、本来の医療とは何かを問い続けるドクターたちには本当に頭が下がります。理想をもったドクターは、目立つので、あれこれ批判にもさらされやすい。
それでも自分の道を持っている。私たちはそんなドクターを応援すると同時に、患者としてより賢くならなければならないと思います。
自然治癒力学校では、そうしたドクターの講演会をたくさん開催して、会場から大きな声援を贈りたいと思います。あなたもぜひ、ご参加下さいね。