最近、急に寒くなったせいもあってか、「瞼がピクピクしますが、どんなココロが隠れているのでしょう?」という質問をよく受けます。
東洋医学には、「五官」と「五臓」の関係というものがあって、
目 肝臓
舌 心臓
口 脾臓
鼻 肺
耳 腎臓
というふうに対応しています。大きな臓器というのは、ストレスや疲れを溜めても、自分がダメージを受けて動かなくなってしまうとカラダ全体が危険なので、溜めた毒素を定期的に関連器官に小出ししているのです。
肝臓なら、筋肉、神経、腱、ふくらはぎ、そして、目…。さらに五臓には、「溜まりやすいストレス感情」というのがあって、
肝臓 怒り、イライラ
心臓 愛情に関すること
脾臓 くよくよ、後悔、心配
肺 悲しみ、憂鬱、悲観
腎臓 恐れ、無力感
という具合に対応しています。
そう、東洋医学的に見ると、肝臓には「怒り」…。怒りのストレスが目に出やすいというのは、昔々の伝統の智慧でもあるんですね。
目への症状というのは、往々にして、「がんばり屋」さんに出ることが多いです。目の充血、結膜炎、眼精疲労、眼圧があがる緑内障などもそう。目に出る人は、めちゃくちゃがんばるけど、しんどいっていう感じをあまり表に出さない人です。
「これくらい私はへっちゃら」とか、「私の潜在能力はまだまだこんなもんじゃない」とか…。そして、クールを装いながら周囲を観察しています。
自分が人一倍がんばるだけに、サボっていたり、甘えていたり、愚痴ばかり言っている人を見ると、なんだか腹が立ってきます。最初は「おいおい」という気持ちですが、だんだん「イライラ」、最後は「ちょっと待てよ!」…。
瞼(まぶた)って、目蓋とも書きますよね。はじめチョロチョロ、中パッパ、ジュウジュウ噴いたら火を引いて、赤子泣いても蓋(フタ)取るな、という言い習わしがありますけど、まさしくこんな感じです。まぶたの痙攣というのは、目のフタがグラグラ煮えているってイメージなんです。
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瞼のピクピク感って、最初の頃は変に気持ちがいいんですよね。「ああ、私がんばってるな」って実感するというか…。しかし、それは、休めばすぐに治るだろうという前提でのこと。
痙攣がいつまでも治らないと、だんだん不安になってきます。そして、だんだん瞼がさがって眼瞼下垂にまでなると、大きな病気の症候としても気になります。これはきちんと、お医者さんでわかりますから、調べてもらうことが必要です。
そして、心理的なケアも考えてみましょう。まぶたが下がってくる、つまり、目に蓋をすると言うのは、
◆右目だと、社会性を閉じる、
◆左目だと、女性性を防御する、
という潜在意識が働いています。
「目にフタ」ですから、見たくないものを見ない、と考えがちですが、私の経験では、逆に「自分の中の弱みを見せない」という方の方が多いです。
◆右目
クールに演じている自分を壊したくない。
これだけ頑張っている泥臭い自分を、悟らせない。
◆左目
ココロの動揺を見透かされたくない。
私が女であることを、相手に意識させたくない…。
目は、口ほどにモノを言うといいますが、ピクピクしたり、瞼が下垂してしまったりすることほど、「目がモノ言っちゃってる!」時はありません。
先日、まぶたの悩みで来られたクライアントさんがおっしゃっていました。
「いつも人の相談にのってばかりなんです。なぜか頼られるというか、強そうに見られるんですよね。私、そんなに強くないのに…」
軽く見られまい、軽く扱われたくないという姿勢でがんばり、人一倍に気を遣い、人一倍に働く。でも、ふと気づくと、なんだか、自分ばかり損してない?と思う。
出来上がった周囲からの「強い人」というイメージと、「本当は弱い」自分とのはざま…。弱い自分にフタをして強がってしまうと、よけいに目がピクピクしちゃいますから、カラダにウソはつけませんね。
本当に強い人とは、「自分の弱さにちゃんと入っていける人」なんですって。 自分の弱みを悟られたくないので「周りの人が悪いことにする」にしていませんか?
周囲のせいにしてしまうくらいなら、「自分だって甘えたい」というココロを認めてしまいましょう。そして、「そんな私」にも、ちゃんと「OK」を!