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社員教育・営業

第15話 計画とは未来への意思表示!

東川鷹年の「中小企業の人育て」

 “いし”とは主に、「意志」と「意思」の二種類の漢字で表されている。我々はその解釈として、
 
“意志”とは、普遍的・絶対的な想い。広義として「目標」としての表れでもある。
 
“意思”とは、上記“意志”を全うするために思う具体的な行動とその結果。広義として「計画」としての想い表れでもある。
 
 どちらにしても今とは違う、“今よりも良い状態”の表れが目標であり計画である。
 
 先代社長に、「今から~します。」と言ったら、「で?どんな結果を出すねん?」と聞かれて、心の中では、「そんなもん、やってみんとわからん!」と言いたかったが、口に出す事ができずに躊躇していた。
 
 「ええか。『計画とは未来への意思表示』や。その意思っていうのは、“~する。” じゃなくて、“~して、こんな結果を出します。”っちゅうんや。お前の意思としてのその時の『出したい良い結果』は何やねん。
 
 その出したい良い結果を出すために行動するわけやろ!今、お前が行ったのは単なる予定やないか。そんなん聞いてもしゃあないやろ。」
 
最初、意味が良く判らなかったが、ここで例をあげてみると、
 
「営業に行って見積もりを提出してきます。」
 
であれば、提出したらいいだけ。極端に言えば、送ってしまえばそれでよい。但し、良い返事がもらえるとは限らない。
 
「見積もりを提出し、内容と金額の了承を得て受注してきます。」
 
となれば、了承を得て受注するという“出したい良い結果”があるがゆえに、了承の得方、受注するやり方を考えられる。
 
 我々は“良い結果”を出すために行動するのであり、もっと言えば、“良い結果”を出すために生きているとも言える。言い換えるとすべての行動が何らかの“結果”へと必ず繋がっているのである。
 
 “出したい良い結果”をイメージせずに闇雲に行動するよりも、仕事や人生の目標がある以上、それを必達させるためには、単なる予定ではなく、計画としてその時々の“出したい良い結果”を明確にすることにより取るべき行動が見えてくる。
 
 もちろん、すべての行動が良い結果に繋がるとは限らない。計画として表したものに対して、出た結果が「良い」、「良くない」というのが問題なのではなく、良くない結果が出ている中で『明確な次なる手立て』として、改善行動を考えていないのは良くないだけなのだ。
 
 ゆえに、単なる予定を表して消化するだけの過ごし方はやめて、未来への意思表示として、“出したい良い結果”は何なのか?その出したい良い結果を出すための行動は何なのか?を、社員一人ひとりが明確に出来るような仕組みと育成(訓練)が重要である。

 

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