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社長業

Vol.106 「戦略は細部に宿る」

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

輝ける2007年を迎え、新たな気持ちで自社の繁栄・成長に全力投入のことと思います。本年もよろしくお願いいたします。
 
正月5日より、数社の新年全社研修や年度方針発表会に出席しております。
 
すばらしい業績を上げ続けている会社に共通している特長は、多くの社員が見逃しがちな「実に細かい仕事の細部」に、社長自身が、とにかくこだわっていることである。
 
年の初めでもあるので、経営理念の確認や、事業戦略の具体的な展開を、部門毎に発表してしく中で、社長からの質問やツッコミが、方向性もさることながら、現場実務の作業一つ一つに及ぶ。まるで商談に立ち会っている様な臨場感がある。
 
どんなにすぐれた戦略を構築しても、「儲かる仕組み」を長く秘密にしておくことは難しい。ライバルも同等のビジネスにすぐ参入してくるし、ましてやインターネット時代。消費者も取引企業も購入や商談前に比較各社を調べており、圧倒的な優位性をもっていることは少ない。
 
わずかの差で、売り負けてしまえば結果は「0対100」になってしまう。スポーツのように「49対51」とならないから、僅差といえども結果報告を聞いているだけでは判らない。
 
悩んだり迷ったりしている部下や若手に、声高に「一般的なべき論」や「かつての成功事例」を繰り返しても、業績は伸びない。口にこそ出さないが「聞くだけムダ」「あ、また始まった」とばかりに肝心なことにも耳をふさいでしまう。
 
任せなければ、若手が育たないことも事実だが、任せたからといって、社長や幹部がお客様・市場から離れてしまうと変化の早い昨今では、微妙な消費心理や社長が意図した戦略とのわずかなズレを見過ごしてしまう。
日報だけではつかめない。日頃から現場にかかわり続けることは当然だが「おや?」と感じたら既成概念をすて虫メガネを持って商品、お客様、担当者、ライバルをじっくり観察しよう。
 
ごく最近も、スランプに悩んでいた「元・日本No.1営業のM氏」は、同行した社長から「応酬話法の返しが、気持ち2秒早いんじゃない?」と指摘され、見事に復活された。
これはあくまで典型例だがカタログ、見積書の表示、プレゼン、接客言葉、POP、メニュー、ハガキ、納品確認、定期訪問、担当者の服装など、あげればきりがない。
 
戦術領域、戦技かも知れないが「戦略の実現」を支えているのは一つ一つの積み重ねと、データの裏づけ、全社員への反復訓練と浸透、徹底だ。 戦略の優劣は、細部が決する。

 

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