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社長業

Vol.97 販売の見える化

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 先月、不動産流通を主業務とする企業を訪問した。
タッチパネルの物件案内は当然進んでいるし、商談ブースにはサムスンの大型フラットディスプレイが全室ついており写真も迫力満点。お客様からの見える化も進んでおり集客数、成約率ともに上昇中である。
 
 システム投資は確かにかかるが会社全体ではソロバンをきっちり取っている。仕組みは企業秘密なのでここでは発表できないが、デジタル化の販売効果は営業マンも含め確実である。
 
 ただ、営業マンのいる部屋ではアナログをキッチリ残してあり非常に活気あふれる状態が保たれていた。一人一台以上のPCでつながっていて、全てのデータは見れる様になっている。
 
 しかし、壁には大きなボードに、全営業マンの名前と販売目標、赤と青色のマグネットシートの棒グラフ。
 
 20年前と何も変わらない。
 
 そして部屋の入口の床には太い真っ赤な1メートルのライン。そこで戻ってきた営業が「ただいま戻ってまいりました」と大声で挨拶。いっせいに「お疲れ様」の掛け声。
 持っていく景品も課ごとにキチンと分けてあり無くなり具合が一目瞭然である。
 
 PCを覗けば全て分かるが、大事なことは全員が「いやでも目に見えるようにする」「関心のうすい社員に気にさせる工夫」をいっぱいすることだ。
 
 システムを組んだりすると成績優秀者が担当することが多く、下位者のことが頭の中に入っているようで、入っていない場合がある。
 
 深く考えなくてもパッと一目で判る工夫や人間の見栄や競争心に火をつける工夫、習慣化させる仕掛けなど、どんなにデジタル化が進んでも、売る力、活気に溢れた職場を作ろうと思えば、無意識の視覚に訴える、体で覚えるなど、アナログ要素を残さなければならない。
 
 どこの組織にも262の法則は生きている。優秀な社員は自ら工夫をするが、普通の社員が80%を占めているのだ。
 
 一人のスーパースターより普通の社員が皆で頑張る方が会社は遥かに強くなる。

 

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