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社長業

Vol.94 「新商品開発の成功確率を上げる共通言語」

作間信司の経営無形庵(けいえいむぎょうあん)

 どんな仕事でも商品でも、そのまま売り続ければ時間の経過とともに粗利益率がさがってくる。好業績を維持しようとすれば、モデルチェンジをしたり新商品を追加したりして、常に収益の柱を何本も走らせていなければならない。
 
  正直、新商品を確実にヒットさせるのは難しいが、社長として、この精度を上げ続けなければならない。じゃあ、どうすればよいか?
 
  新商品開発では住友スリーエム(株)さんという大変有名な会社がある。新商品30%ルールは、いろんな記事にも出ていたり、開発担当者の自由裁量などユニークな制度も充実している。
 
  しかし、新商品の事業化にとっては、元、技術本部カスタマーテクニカルセンター長であった、千賀信可氏が提唱されている1丁目~7丁目理論を、社長と営業部と開発部と製造部がしっかり共有し、愚直に一段階ずつステップアップさせることである。
 
1丁目
 お客様の困っておられる事から、こんな商品を
 開発したいというアイデアをリストアップする
2丁目

 どのような商品にするか、商品コンセプトを皆で考える
3丁目

 試作品を造り、要求を満たした製品にまでに仕上げる
4丁目
 商品として売る為にマーケッティングプランを造る
5丁目

 本格発売前の準備をする量産体制の確立、
 マーケッティングツールの準備、在庫等

6丁目
 本格販売を開始する
7丁目
 お客様の反応を再確認する
 
  少し、長くなったがこの7ステップを確実にクリアしていくことだ。みんな知っている原理原則だが、ヒット体験のあるベテラン開発者や社長ほどアイデアに惚れ、途中を省き一気に資金投入をする。偶然の成功もあるが、続けてヒットしていくのは至難の技だ。
 
  一日も早くお客様に売りたがるのは、社長と営業だ。気持ちは判るが時間や金や信用をなくすことが多い。千賀先生が開発指導に入るとき、最初に苦労されるのは、この共通言語を定着させることだ。
 
  回り道のように見えるが、リスクを押さえ確実に進めていけば、ニッチトップの開発テーマはまだまだある。

 

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