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税務・会計

第81号 BS「格言」 其の二十七

会社を守り抜くための緊急対策

其の二十七

バランスシートで愛人が発覚する

 

 心当たりのある社長にとって、一番、ドキッとする格言かもしれません。

 私はよくわかりませんが、愛人には、様々なものを提供するのではないかと思います。お金、マンション、車、宝石、バッグなどなど。
 
 バランスシートを見ると、誰と付き合っているのか、わかるという話を以前したと思います。
 具体的には、仮払金や貸付金だけでなく、事業に必要とは思えない保証金、車両、土地、建物がバランスシートにある場合に、どうしても違和感を覚えます。
 
 社長が個人のお金で愛人にお金をだすことまで言うつもりはありませんが、会社のお金を私的な出来事に使うことはもってのほかです。
 会社が倒産するのは、支出からです。ですから、売上に直結しない支出は極力ゼロにすべきなのです。
 単純に会社のお金を使って愛人にあげた場合、一度は会社から社長にお金が流れるため、それを社長に対する貸付として処理していることもあることでしょう。
 オーナー社長が創業者であれば、会社の資金が厳しくなったとき、何度も会社にお金をつぎ込んだこともあるかと思います。また、社員にはきちんと給料を支払っても、自分は未払いということもあったことでしょう。
 オーナー社長も、生活費が厳しくなることだってあります。そんなとき、生活費程度であれば、会社からお金を借りることもあると思います。
 このようなことまで、公私混同だからいけないとまではいえないと思います。
 つまり、このような社長に対する貸付までNOとは言いません。
 しかし、愛人や贅沢品購入のために、会社のお金を借りることは問題です。愛人をお金だけではつなぎ止められなくて、住む場所までも確保する社長もいます。
 その場合、個人では借りられなかった場合、会社名義で賃貸マンションを借りますと、敷金等がかかり、バランスシートに保証金として計上されることになります。
 また、度を越してしまいますと、会社のお金でマンションや車まで購入なんていうこともあります。
 バランスシートには、土地建物や車両運搬具が記載されます。
 資産が増加するからいいということではありません。徒に総資産を増加させますと、維持費がかさみ、余計な支出が増加していき、資金不足に陥ることもあります。
 
 再度いいます。
 オーナー社長が会社から借りて良いのはあくまで生活費の範囲なのです。それ以外はやってはいけない公私混同になります。
 
 オーナー会社は、社長個人のバランスシートと会社のバランスシートを合算した連結バランスシートで判断することが一番いいというお話は何度もしています。
 連結バランスシートを作成しますと、社長が個人的に愛人のために購入したマンションや車は、社長名義であるため、社長の資産に計上され、当然、連結バランスシートにも記載されます。
 連結バランスシートの作成には社長個人のバランスシートを作成しなければなりません。ですから、連結バランスシートの作成を拒む社長は、何かしら、ひとには言えない個人財産があるものです。
 亡くなってから発覚したのでは、本当に大変な状況になっていくことは目に見えていますので、後々、揉め事にならないためにも、社長名義ではなく愛人名義にしておくことをお勧めします。
 一番いいのは、愛人とは縁を切ることなのかもしれませんが、さすがにそこまでは言えません。
 
 不正をしている会社には、バランスシート上に、仮払金、貸付金そして投資が存在することが多いのですが、たとえ、不正などなくても、バランスシートにおいて貸付金をはじめ、仮払金そして投資がある会社は、大抵、売上に直結しない支出が膨らみ、会社の資金繰りを悪化させるだけでなく、社員の士気まで低下させてしまっているのです。
 
 ちなみに一度だけですが、「わしの会社のわしの金を使って何が悪い」と開き直る社長にお会いしたことがあります。
 ここまで言われますとあっぱれ!でしょう。
 
 
 
 

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