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税務・会計

第96号 BS「格言」 其の四十一

会社を守り抜くための緊急対策

其の四十一 分からぬときは休め

 株取引において、買う、売る以外に、休むことも重要だと言われています。
 走り続けることは大事です。しかし、いつまでも走り続けることはできません。どこかで疲れてしまいます。
 企業経営では、疲れは負債の増加になってバランスシートに表れてきます。
 気がついたら、借金だらけになっていたとよく言われることでも理解できるかと思います。
 ところで、経営者でもトップとそれ以外では、様々な点で違うものです。
 ナンバー1の社長の報酬は、社長以外の給料を支払った後、資金があれば支給されるものです。もちろん、資金がない場合は、未払いになります。
 中小企業のトップの方は、報酬の未払いの場合がかなりあるかと思います。
 これに対して、社長以外は、基本的には、毎月、必ず、決まった日に給料をもらうことになります。たとえ、赤字であっても、給料をもらえるわけです。
 なぜなら、社長として一番避けたいことは、やはり給料の遅配だからです。
 私も一度、社長時代、手形が不渡りとなり、その手形入金で給与の資金を考えていたため、遅配せざるを得なかったことがあります。とても悔しい思いをしました。
 遅配しますと、従業員からの信頼を失うことになります。100名ほどいました従業員のうち、10名程度、退職していきました。
 去る者は追わずと言い聞かせはしましたが、自分の不甲斐なさと、金銭でしかつながっていなかったという信頼関係の薄さに愕然とした覚えがあります。
 教訓です。
 社長は、絶対に遅配してはなりません。
 社長は本当によく働きます。社長が疲れを感じるときは、24時間、休む暇がないという物理的な時間ではなく、精神的な時間に余裕がないときです。
 特に中小企業や個人事業の場合、売上減、即、社長個人の生活費がなくなります。
 ですから、たとえ、新聞を読んでいても、トイレに入っていても、落ち着きません。
 少し酷なことかもしれませんが、焦ってみてもいい考えは浮かんできません。
 この様な時は、非日常的な時間を少しでもいいので取るべきです。たとえ、数分でもいいのです。安心できる場所で、ぼーっとすればいいのです。
 これも休むということです。
 休めない会社のバランスシートは、間違いなく悲劇のバランスシートになっています。
 バランスシートに、現金預金がなく、資金化できる資産もあまりない会社です。しかし、毎月、必ず、支払いは来ます。
 バランスシートに未払金、買掛金、預り金そして借入金といった過去のつけが残っているからです。
 残念ながらこの支払いは、何ら、収益を生みません。そのため支払うことに躊躇してしまうこともあることでしょう。
 このようにバランスシートの状態が良くなければ、いつも、悩ましい支払いに苦しむことになります。
 たとえ、何かの原因で、売上が大幅に減少しても、びくともしない会社。
 1年間、なにもしなくても大丈夫なくらい、安心できる会社であればいい・・・
 口には出しませんが、多くの社長が、心の中で思っていることなのかもしれません。
 休んでも、大丈夫な会社にするためには、それなりのバランスシートにしておく必要があります。このためにも、バランスシートに目標を設定してあげることが大事なのです。
 具体的には、どのようなバランスシートになれば少しはゆっくりと休めるかを考えてみるのです。
 この場合にも、手順というものがあります。
 まず、現実を無視して、少し、夢のようなバランスシートを考えてみます。社長であれば、現実を無視できないことは分かっているので、あえてこのようなことを話しています。
 1億円の借入金があるのに、まったくないと考えること自体、おかしなことですから。
 社長は、現実のバランスシートの数字は頭に入っているものです。
 そして、休めるバランスシートを実現させるためには、目標となるバランスシートの数値を明確にすることが必要になってきます。
 現金から一つ一つ、いくらあればいいのか、考えていきます。預金は、在庫は、売掛金は・・・。
 負債も同様に、支払手形は、買掛金は、借入金は・・・。
 いきなり全体のバランスを考えることなく、一つひとつ、社長の思いをバランスシートの各勘定の項目に金額として表現してみます。
 一通り、金額が決まったら、あとは、それを集計してバランスシートを作成してみます。
 ここからが大切なことですが、様々な経営分析(流動比率など)はあまり考えないことです。
 バランスシートを見て、社長自身が「心地よさ」を感じられるかどうかです。
 この「心地よさ」こそ、経営の極意なのです。
 「心地よさ」がなかなか理解できないかもしれません。ある程度の借金があった方が緊張感があっていいという社長にとって、無借金経営は心地が悪くなります。
 このように、社長個人の主観、これが「心地よさ」です。

 
 


 

 

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