経営者は社員のことをよく知らなければならない。
では、社員の何を知るべきなのか?
答えは、簡単である。
「社員の脳が日々、会社で伸びているか、否か」 これが、大事な問題の一つである。
例えば、自分よりも高学歴の社員がいたらどうすべきだろうか?
自分より高学歴な社員をどうやって成長させられるだろうか?
そのトリセツにもなる本をPHP新書より刊行した。
タイトルは、「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか」である。
まず、最大のヒントを述べる。
高学歴の社員の脳は、まず十中八九、受験で脳の一部がいびつになっている!
以下に本文の一部を抜粋し引用する。
「高校受験や大学受験に成功するには、言語による記憶を主体とする勉強を積み重ねなければならない。それによって、脳の左側頭葉(記憶系の脳番地)が発達する。つまり、偏差値が高ければ高い人ほど、左側頭葉が鍛えられていることになる。」
この脳のいびつさ故に、誰とでもコミュニケーションをとる際に足を引っ張っている。
このことを理解したうえで、経営者は社員とうまく付き合ってほしい。
もし、自分に類似の要素を見出したなら、その内容と対処方法を書いたので役立ててほしい。
一方で、「経営者は、自分の脳を知れば知るほど、経営に役立つ」とわたしは考えている。
そのために、自分がなぜ、今、経営者となっているのかをもう一度考えてみることは有意義である。
脳からの解釈を本文を引用して述べる。
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若くして知識だけをたくわえると、側頭葉が相当使われて、新しい知識に驚きを感じなくなる。しかも、そうやってつめこんだ知識を、四十代、五十代で活用するかといえば、そうでもない。使われない知識をつめこむために脳を使いすぎて疲弊し、すでにポテンシャル(潜在力)がなくなっているのだ。
ポテンシャルというのは、「もともと使われていない能力」のことである。使われていないからこそ、成長する余地がある。
脳を調べていくと、おもしろいことがわかる。その人が嫌いなことや苦手なことをくわしく調べると、その近くに大きなポテンシャルを秘めた脳番地があるのだ。つまり、苦手なことと得意なことは、脳番地でいえば非常に近くにあるといえる。
脳というのは不思議なもので、さまざまな刺激によって成長しようとするときに、伸びやすいところと伸びにくいところがある。その、伸びにくいところの近くに、曲がって伸びていくのだ。だから、苦手な能力や伸びていない能力を、ただ闇雲に使おうとしても成果はあがらない。しかし、努力を継続すると、伸びるべき脳番地のその近くの脳番地が伸びていく。
もちろん、伸びた個所は、伸ばそうとした個所とはズレている。この、意図せず成長した脳番地を社会的に使う方法に出合ったとき、あるいは発見したとき、その人は社会的な成功を収めることになる。成功者たちが必ず苦労してきているのは、こうした理由があるからだ。
「自分がやりたくてやった努力は成果に結びつかなかったのに、違う道を選んだときに、
はじめてうまくいった」
世の中には、そんな成功物語がたくさんあるが、これは脳からいえば当たり前だ。自分の脳と社会がフィットするかかわり方を発見したときにはじめて、化学反応のようにうまくいくのだから。
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「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか」加藤俊徳 (PHP新書)より抜粋引用
今月の月刊脳番地トレーニングは、
「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか」を参考に
1.高学歴社員の脳のいびつさを理解すること
2.経営者になるまでの苦労を脳から考えてみること
経営者が、まず、自分と社員のことを脳から考えられたら、もっと幅広い経営ができます。
是非、このテーマで、今月を過ごしてみましょう。経営者と社員の脳の健康のために!
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