2013年も残り3ヶ月となりました。少し早いのですが今年を振り返れば
(1)衆参両院選挙での自民党圧勝 (2)安倍政権による積極的な経済政策の発表 (3)円安、株高への劇的展開。加えて (4)2020年東京オリンピックの開催決定。近未来に期待が膨らむニュースで締めくくる年となりそうです。しかし、反面、来年には消費税率が3%上がり、更に2%のインフレターゲットが現実となれば、支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた個々人の可処分所得は、その分の補填(ベースアップ)がない限り、目減りしてしまいます。
9月20日、政府が経済界や労働界のトップと雇用問題などで意見を交わす「政労使協議」の初会合が開かれ、安倍首相は「経済はデフレ脱却の方向に向かっている。産業界、労働界も大胆に取り組んでほしい」と述べ、賃上げや雇用拡大への協力を強く求めました。
そのような状況を踏まえれば、来年の春闘は例年以上の賃上げ要求で盛り上って当然と思われます。そうした2014年の展望が見え始めてきた今年、各企業はどのように判断し、どれほどの冬季賞与を支給すべきでしょうか。
先日、日本経団連は大手企業の夏季一時金の最終集計結果を発表しました。総平均の対前年増減率は4.99%増であり、製造業平均は5.42%増、非製造業平均は3.68%増だったと発表しました。業種別では自動車が10.73%増、セメントの9.31%増と大きく伸ばしている好調な業種がある反面、鉄鋼は6.76%減、紙パルプは5.48%減、繊維は5.46%減、化学5.07%減と業種によるバラつきが目立ちます。
この集計で回答した上場企業の大半が、春闘で夏季賞与と冬季賞与を年間賞与として協議し妥結させていることを考えれば、冬季賞与の支給額は、夏季賞与とさほど違わない支給傾向、金額に落ち着くと推測できます。
ただし、これらの数字は大手企業の平均の話であり、業種が同じであっても個別企業における賞与総額は自社業績を根拠に決定されるべきものです。政府の期待に答えて昨年以上の賞与を支給できる企業もあれば、昨年並み、あるいは厳しい対応をせざるを得ないと判断する企業も出てきて当然です。
賞与総額決定の次に来るのが従業員の重大関心事・個別の賞与金額の決定です。そのためには半年間の仕事の成果とプロセス(個々の社員の仕事品質)を成績として公正に評価し、納得できる賞与配分を実現することが重要であり、総和としての仕事力を企業全体で高め、明日につながる好循環を実現することが何よりも大切です。