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人事・労務

第117話 2019年度の労働経済情勢と賃上げ動向

「賃金の誤解」

 昨年春闘では「3%」という賃上げ率の数値目標を示した安倍首相。今回は賃上げ要請しているものの、数値目標は示していない。働き方改革の推進に加え、消費税率の10%への引き上げを10月に控え、「賃上げとは政府に要請されて行うものではなく、労使が交渉し納得の上で決めるもの」とする労使双方の主張に配慮したかたちだ。

1.経団連:春季労使交渉に臨む経営側のスタンス

今回は「社会的な期待を考慮しながら、多様な方法による年収ベースの賃金引き上げや総合的な処遇改善」が求められると主張。ベースアップについては、収益が安定的に拡大している企業の「選択肢となる」とし、その上で、賞与など多様な方法による年収ベースの賃上げや、処遇改善を重視する姿勢を示している。

2.連合:2019年春闘に臨む組合側の姿勢

2019 春季生活闘争においても、月例賃金の絶対値にこだわり、賃金引き上げをめざす。基本給を一律に引き上げるベースアップの幅を「2%程度」とし、定期昇給の2%と合わせて4%の賃上げを求める。

①賃上げの継続による「底上げ・底支え」「格差是正」と「すべての労働者の立場にたった働き方」の実現を同時に推し進めるとともに、働き方も含めた「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」に取り組み、「人的投資の促進」「働きがいのある人間らしい仕事の実現」「包摂的な社会の構築」「経済の自律的成長」をめざす闘争である。

②規模間格差の是正(中小の賃上げ要求)

すべての中小組合は賃金カーブ維持分を確保した上で、自社の賃金と社会横断的水準を比較し、必要額を加えた賃金引き上げを求める。実態把握できない組合は平均水準の2%相当額に賃金カーブ維持分を含め、10,500円以上の賃金引き上げを求める。

③非正規労働者の賃金については、正社員と均等待遇の観点から改善を求める。

④長時間労働を是正し、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整える。

⑤一時金 月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め水準の向上・確保をはかる。

⑥賃上げと健全で安全で働きがいのある職場の実現が推し進められるよう、取引の適正化の実現を社会に向けて発信していく。

3.賃金管理研究所・2019年の指針としては

2019年度の賃上げにおいては大手企業2.5%、中小企業2.0%と予測。賃上げ率だけでは分かりにくいので以下のモデルを例示します。

【大手】平均所定内賃金300,000円の主要企業

所定内賃金300,000円×賃上げ率2.5%=賃上げ額7,500円

賃上げ:2.5%(7,500円)=定期昇給1.7%(5,100円)+ベア0.8%(2,400円)  

【中小】平均所定内賃金250,000円の中堅・中小企業

所定内賃金250,000円×賃上げ率2.0%=賃上げ額5,000円

賃上げ:2.0%(5,000円)=定期昇給1.6%(4,000円)+ベア0.4%(1,000円)

 

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