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人事・労務

第23話 計画停電と就業管理

「賃金の誤解」

 東京電力は原発事故を理由に関東地区で大規模な計画停電を東日本大震災直後から実施しています。そんな状況下、会員企業の皆さんから次のような質問が多く寄せられています。
 
質問:計画停電により出社できない、あるいは遅刻または早退しなければならない場合、どのように取り扱えばよいのでしょうか。各自が有給休暇、半日有給を使うべきでしょうか。それとも特別な事情なので、会社が事情を認め、出勤扱いとして処理すべきなのでしょうか。
  加えて計画停電の時間帯が就業時間内であり、作業を中断しなければならない場合はどう考えたら良いのでしょうか。
 
 大変悩ましい問題ですが、計画停電が短期で終わるのであれば、遅刻または早退を含めて、就業規則の特別休暇の条文を根拠に出勤扱いとして対応できます。ただ、会社が特に自宅待機を指示していないのに、本人の判断で、短時間の停電を理由に一日欠勤した場合まで、出勤扱いするのは無理でしょう。
 
 次に、計画停電の時間が就業時間帯であり、作業を中断しなければならない職場での対応はどうでしょうか。
 
 計画停電がごく短時間、短期間であれば出勤扱いでも良いでしょう。しかし、今回のように2時間を越える計画停電がいつまで続くのか読めない事態であれば、労基法の解釈にそって、一計算期間内の休業時間分の給与を計算し減額して支払うべきでしょう。
 
 なぜなら、大震災に伴う計画停電に起因する休業は労基法第26条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しませんから、ノーワークノーペイ、その停電時間分については、会社に賃金の支払い義務はないからです。
 
 これからも計画停電が続くとして、停電の時間帯と地区が正しく示され、きちんと実施されるようになれば、その停電時間帯を休憩とし、始業、終業、休憩時間を変更することで、所定内勤務を維持することは可能です。

 

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