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- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第215号 75兆円
この数字は、2020年度に達すると予測されているクレジットカードの取扱高である。2014年度の約46兆円という市場規模 は、東京オリンピックが 開催される年には、1.6 倍の75兆円に拡大すると推計されている。
このように右肩上がりに推移している要因は、ネット通販のクレジットカードショッ ピング(EC)の急増に加え、公共料金分野をはじめ、学費や家賃の支払い、冠婚葬 祭などの生活関連分野での利用機会の拡がりが寄与している。
今後は、スマホの普及を背景に、それに伴う各種システム の進化・簡素化により、加盟店がクレジットカードを導入しや すい環境が整備されて、今までクレジットカード決済サービス を導入できなかった小規模事業者や飲食店、サービス店舗な どにも取り扱いが拡大する見込みだ。さらにクレジットカード 各社による優良顧客の囲い込み、メインカード化への施策の展開によって、クレジッ トカード会員の利用メリットが高まり、年率10%のスピードでマーケットが拡大して いく様相である。
また一方で、政府は2020 年の東京オリンピックに向けて、訪日外国人観光客へ の利便性向上のために、キャッシュレス化を推進しており、訪日外国人のカード決済 需要も拡大することは確実だ。
加えて、オムニチャネルの進展も、クレジットカード利用を促進させる大きな要因 である。昨年11月1日、セブン&アイホールディングスがグループの通販サイトを 統合し、リアル店舗との連携を強化した通販サイト「omni7(オムニセブン)」をグラ ンドオープンさせたのがその代表例だ。3年後には1兆円の売上を目指しており、そ の大半がセブンカード・プラスなどのクレジットカート決済となるだろう。
日本では、まだ現金払いが主流で、他国に比べるとカード決済が少ないものの、 ①優良カード会員の囲い込みに向けた取り組み、②ポイントプログラムを活用した ショッピング事業強化、③スマホ決済ソリューションの拡大、④モバイル決済サービ スの普及といった各業界の取り組みが、キャッシュレス化をますます加速させてい くはずである。