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愛読者通信

【特別インタビュー】町の小さな洋食屋から上場へ!一倉先生から学んだ 社長の陣頭指揮(フライングガーデン会長 野沢八千万氏)

「愛読者通信」著者インタビュー

フライングガーデンと言えば、「爆弾ハンバーグ」ですが、こちらの誕生にも先生の教えがあるとのことですが…。

一倉先生の教えの中に、「わが社の事情よりもお客様の要求を満たすことを優先せよ」、「新事業・新商品は小さく始め、それを積み重ねて大丈夫だと思った時に、全体に広げていく」というものがあります。

しかし、私はこれらの教えを破って大失敗をしてしまいました。当時は1店舗あたり年商2億円。客単価は900円くらいでしたが、従業員の忙しさは相当なものでした。

それを何とか緩和しようと考えた私は、お客様を無視して客単価1500円の新業態の店舗を開発しました。これであれば、3分の2の客数だとしても売上が十分たつ。

売上1億8千万円を見込んでいましたが、蓋を開けてみるとお客様が来なくて暇で暇でしょうがない。最終的な売上は8千万円にとどまってしまいました。

私はどうにかして売上を立て直そうと必死で考えを巡らせました。すると、メニューの中で原価率が自社の平均より低く、販売努力を特別にしていないのに売れている商品があることに気づきました。それが、牛肉100%ハンバーグでした。

これは一倉先生のいうところの「シンデレラ商品」ではないのかと考えた私は、このハンバーグを徹底的に磨きあげました。すると予想通り、このハンバーグは絶大な人気を博すようになり、客数も戻り、売上も右肩上がりで回復しました。

これはいけると考えた私は、このハンバーグを既存の全店舗のメニューに段階的に加えていきました。看板メニューとなったこのハンバーグは今でこそ「爆弾ハンバーグ」の名前で知られていますが、実はこのネーミングにも一倉先生の教えが隠れているのです。

当初は、「牛肉100%ハンバーグ」という名前でしたが、鉄板でバチバチ・ジュージュー油が爆ぜる様子から着想を得て、「爆弾」というネーミングを思いつきました。新商品名を発表したところ幹部、家族の全員から反対を受けたのですが、一倉先生の「大ヒットを飛ばすのは全員が反対する中で、社長が断固として決定したものだ」という教えに後押しされ、押し切りました。

「爆弾ハンバーグ」の大ヒットもあり、2004年には創業期からの目標である株式上場を果たしましたが、これは一倉先生の教えなくして成し遂げられなかったと思います。

 

これから、一倉先生の社長学を学ばれる方に向けて、特に意識して欲しい先生の言葉はありますか?

言いだしたら、きりがないのですが、やっぱり「会社の真の支配者はお客様である」という言葉です。他のコンサルタントはこうしたことを言っていませんが、この言葉は経営者として、決して忘れてはいけないような気がします。

それと、一倉先生に学んで分かってきたことがあります。それは、原理原則の大切さです。経営の原理原則をしっかり身に着け、それを使いこなしていくうちに「知恵」というものが出てきます。

原理原則を学ぶことをスキップし、奇抜なことをはじめられる方もいらっしゃいますが、それは間違いだと思います。私は、学生時代ボクサーだったのですが、スポーツ選手で基本をやらずに強くなった人はいませんよね。経営も同じです。

私は、一倉先生の言葉を一言一句暗記しようと、講演テープは擦り切れるまで回し、書籍もマーカーやメモで埋め尽くしました。セミナーにも、それこそ先生が亡くなる直前まで毎年のように通い続けました。今では、判断で迷うことがあると、自然と「一倉先生なら、このようにアドバイスするだろうな」と先生の言葉が浮かび上がってきます。

最新刊の「マンガで学ぶ 一倉定 社長の姿勢」を読みましたが、お客様第一主義や社長の陣頭指揮、経営計画書など一倉先生の説かれた経営の原理原則が非常にわかりやすくまとまっています。この書籍から、社長として会社を大きく成長させるヒントを掴んでいただければと願っています。

(聞き手・校正 西野光輔)

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