京都の市場烏丸に近い、天神山町に日本料理が好きな客人が集まる店があります。
独創的と言っても真新しいフュージョンではなく、二十四節気をモチーフに器や店内に演出をしてもてなす日本料理です。
京都の日本料理の高級店の傾向として、高級食材を次々と出してシンプルにわかりやすい料理を出す店が多く、スタンプラリーのように名店食べ歩きをするお客様に人気です。
そのような料理を“雅”の料理とするならば、『研覃ほりべ』の料理は“詫び”の料理。
食べ歩いて、審美眼を磨いた食べ手に喜ばれるのだと思います。
『研覃ほりべ』は以前、祇園で営業していましたが、五年ほど前にこの地に移転しました。
杉原デザインの施した空間はとても落ち着く空間です。
ミシュランのガイドブックでも一つ星に格付けされ評価されています。
大将の堀部努さんは、一見、課目で強面ですが、とても気さくな方です。
お料理のことを聞いたりすると熱心に話していただけます。
さて、今回は葉月の献立を紹介しましょう。
まずは、葛の葉とともに、ジャバラのソーダ割りからスタートです。
こんなに小さい葛の葉を探すのはさぞかし大変だったでしょう。
続いては、氷鉢で、北海道の雲丹を添えた葛きりが供せられます。
鮑の柔らか煮 飯蒸し
大根をのせて5時間蒸して蒸し汁につけた山口の鮑です。
鮑の味わい深く香りもあり素晴らしいです。
続いて、噴火湾の毛蟹と玉蜀黍のしんじょうの煮物椀です。青柚子の香りが添えられています。
まず、白ずいきの食感よく、昆布の味わいから、しんじょうの山芋の甘さがきて、甘い玉蜀黍の輪郭が残ります。立秋は名残惜しいですね。
お造りはアコウダイです。
醤油とチリ酢でいただきます。
続いて、鱧の落としが落としたてで供せられます。
ふわふわなテクスチャーでうまいです!
さて、『研覃ほりべ』の見所の八寸です。
八寸は蓮の葉で包んであります。
中を開けると、鬼灯盛りになっています。
しらさ海老の酒盗和え、茗荷と胡瓜とクラゲの胡麻酢和え、蛸柔らか煮と卵、
アコウの煮凝り、新銀杏の翡翠、ごりと塩漬けにしたイタドリが盛り込まれています。
塩辛にした鱧の子をのせて鱧を焼きます。
鱧の塩辛の味わいが印象的でおいしいです。
和牛の冷しゃぶが続きます。
壱岐の岩牡蠣が供せられて、炒りだしでいただきます。
酢橘そば
時間が経つのは早くて、お食事となりました。
上桂川の鮎で鮎飯です
まずはそのままいただきます。
う、うまいです。
二杯目はお茶漬けでいただきます。
三杯目もいただきます。
『研覃ほりべ』はデザートにも楽しいです。
求肥を巻いた葡萄
シャインマスカット
〆はかき氷です。
宇治抹茶金時
晩秋に向かっておりますが、夏のひとときを感じることができました。
すばらしいひとときですね。
研覃ほりべ
京都府京都市中京区錦小路通室町西入ル天神山町273
電話 075-746-3111