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第71講 クレームはおわびの思いだけで対応するのではなくテクニックを使って対応する

クレーム対応 実践マニュアル

クレームはおわびの思いだけで対応するのではなくテクニックを使って対応する(1)
(※秀和システム刊 『ポケット図解 クレーム対応のポイントがわかる本』より、一部抜粋と加筆)
 

【その1】クレーム対応時の担当は誰よりも緊張している。だからその時の思いで対応すると失敗する

クレーム対応時には、担当者は2方向からのプレッシャーにさいなまれます。『お申し出者に理解を得たい』というプレッシャーと『会社に迷惑をかけるような対応をしたくない』というプレッシャー。高い緊張感の中でうまく対応するためには自分の感情やひらめきに頼らず、テクニックを使うこと。

クレーム対応の際に、お客様に対する申し訳ない思いを高めていれば、お互い理解し合える着地に至ることができる、と信じて対応しているだけではクレーム対応は失敗します。クレーム対応時の担当者はお客様のことだけを考えていれば良いというものではありません。お客様のお話しを聞きながら製品やサービスの状況を予想し、その問題が発生した原因を頭の中で並べ、そしてお客様に聞いておかなければならないことを忘れないように頭の中で確認し、その上で自分が会社に迷惑をかけない対応方法を選び、さらにそのことをお客様に伝える伝え方を考えなければいけません。そんな状況の中で、お客様への申し訳ない思いだけを高めることは無理なことと言えます。その思いも大切ですが、それと同じくらいに大切な考えを、たくさん張り巡らさなければならない、複雑で緊張する瞬間なのです。

『担当者の思い』と『対応の手順』がしっかりと伝わるテクニックで対応することが最も大切

つまり『お客様への申し訳ない思い』だけではクレームは解決しません。言葉を間違えることなく伝えるテクニック、対応を間違えることなく運ぶテクニックを使わなければ、いくらお客様に申し訳ないと思っていても、お客様が理解できるようには伝わりません。そのためにはお申し出者に好印象を与える声で『名乗り』をし、次に豊かな『あいさつ』をし、そしてお申し出者にたくさんお話しをしていただくために『相槌と質問』で話がしやすいように促し、担当者がおおよそ理解できるお話しになってきたなら、やっと担当者が簡単な説明をする段階になる、という手順を覚えることがクレーム対応の基本です。



【その2】担当者がお申し出者に苦言を言わなければならないこともある。その時も『外柔内剛』で。

クレーム対応担当者だからといって、いつもお客様の言いなりになっていいのではない。
お断りしなければならないこともあり、あえて言っておかなればらならないこともある。
そんな時も『信念を持って』『柔らかく伝える』ことができる担当者になることが大切。

お申し出者の間違った思いこみや、理不尽な要求や、無理な要望をお断りすることも担当者の役割です。でも、ついお申し出者の傲慢なお話しに担当者も感情的になり、紋切調で「それは無理です!」と言ったり、「企業にもできることとできないことがございますので」と理屈っぽく言ったり、「私共ではその対応はいたしません」と事務的に言ったりすることはありませんか?それはお申し出者の怒りの火に油を注ぐことになります。だからといって、お申し出者の気に入る結論へと引きさがる必要はありません。会社としての考えを、相手が納得しないであろうから捻じ曲げる、ということはむしろあってはいけません。ただ相手がガックリするだろうと想像ができる回答や、相手が抵抗することが想像ができる返答には、角が立たない言葉を選び、申し訳ない声で伝えることがテクニックです。

『やんわり拒否トーク(第65講参照)を使ってあきらめてくださるのを待つことが最適な方法

「なんでこんなことができないんですか?!」「5分で来ないと承知しません!」「社長が謝りに来ないと許しません!」などと担当者が返事に困る言葉も、会話の中ではたくさん投げかけられますが、なぜそれができないか、5分で行けないのか、社長は出せないのかの理由などを言ってはいけません。それは言い訳と取られるからです。やんわりとした拒否トークを何度も使いながら、投げかけられた詰問に返答がないことをあきらめていただくことです。柔らかく強い意志を表すテクニックが対応には必要です。これが『外柔内剛』の精神です。



【その3】かたくなにこれまでの対応ルールに縛られないこと。『条理に勝る法はなし』の信念で。

企業ではそれぞれの事例に基本的な対応方法が決められていますが、事例の問題ではなく、その事例になぜ困っているのかの事由によっては基本対応を覆す対応もあってかまわない。
すべて同じ対応をする事にこだわると失敗する。お申し出者の心情と事情によって対応する。

企業ではクレーム事例によって、基本的な対応方法が決まっていますが、お申し出者のお困り具合によっては、たとえ企業側が原因発生させたものでなくても、できる対応をすることが今の時代のクレーム対応に求められていることです。そのことがお申し出者の心情を満たし、最終的に関係性を良くする結果に導きます。ここで言いたいのは、同じ事例なら同じ対応をすることが基本ですが、たとえば同じ軽微な事例なのにすごく怒っている人とあまり怒っていない人がいることに注目し、すごく怒っている人には、その人なりの怒りたくなる理由や考えがあるということを無視しないことです。そのためにはそれだけ怒りたくなる理由となるお話しをたくさん聞き出すことです。それほど重篤な事例でもないのにすごく興奮している理由や考えを知ることから始めなければなりません。

その個人的な理由や考えが常識的なものなら、企業はできることで対応するという意欲をもつこと

そのお話しの結果、企業側としては一定の対応方法でやることになっている事例ではあるが、消費者当事者として憤懣やるせない状況になっていることがわかり、その憤懣を一般的に考えたり常識的に考ると、とても気の毒だなあと同調すべき問題なら、企業はできる範囲の、できることで良いので、なにか対応をすることです。念を押しますが、企業としてできる範囲のことをしたら良いだけで、相手の希望を聞き入れるべきだと言っているのではありません。つまり同じ事例に同じ対応をする事に、かたくなにならずに対応することが失敗しない対応です。

中村友妃子          

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