【意味】
自分の実力を冷静に判断できれば、高望みをしないで現状で満足することができる。
【解説】
随分昔のことになってしまいましたが、50才の区切りの年齢を迎えた時、
「これからの我が人生を如何に生きるべきか?」と坐禅をしながら考えてみました。
最初は60才までの向う10年間の生き方に思いを馳せていましたが、ふと織田信長のことを思い出しました。
彼が享年49才、志半ばで本能寺に倒れたことを 考えますと、彼の無念さを想うと共に、
既に50年も生かされている自分の人生に感謝の念が湧いてきました。
一旦感謝の念が芽生えますと、感謝が次なる感謝を引き出し、
先のことを考えるより今日までの50年の有り難さに頭が下がりっぱなしでした。
掲句を更に発展的に学べば、感謝の念とは不思議なもので、
(1)かなり深い所から有り難さを解らせると共に
(2)自己の幸せな立場(満足感)も気付かせてくれます。更に
(3)この満足感が大きくなると、自分だけの幸せでは申し訳ないということになり、自然に社会への御恩返し感情が起り、
(4)この感情に後押しされた社会貢献エネルギーが産まれます。
我々の読書会では、この4循環を「感謝→満足→報恩→活力の黄金循環」といいます。
私の主宰する「人間学読書会」が23年間の継続の結果、昨年春(平成21年4月)に延開催回数300回を迎えました。
その際、会員や関係者にお礼の意味を込めて、人間学の究極の言葉を贈ろうとしてできたのが、以下の
『日常姿勢の四源句』です。
一部には記念品の方が有難いとの声もありました。
しかし主宰者個人の作成句と心狭く捉えるから値打ちが無いのであって、23年間にわたり聖人君子や名著の
著者からの盗作の限りを尽くしたエキス中のエキスの名言と考えれば、宝石の『日常姿勢の四源句』になります。
【日常姿勢の四源句】
置 ・ 自 懐 天 懐(自らの懐を天の懐に置き、我が心の視野を大きくすれば)
視 ・ 仁 眼 長 所(お天道様レベルの仁眼により、長所を視ることができる)
転 ・ 感 謝 満 足(すると感謝の念が生まれ、これを意識し満足に転ずれば)
産 ・ 報 恩 活 力(自然に報恩心が芽生え、社会貢献エネルギーが産まれる)
(注)行動エネルギーは、私欲や個人執念を源泉にするものと、公欲や社会報恩を源泉にするものとに大別されますが、
個人の品性や社会の平和や維持発展の観 点からは、意識して後者の社会貢献エネルギーを養いたいものです。
一斎先生は、
「少にして学べば、壮にして為すことあり。壮にして学べば、老いて衰えず。老いて学べば、死して朽ちず」と説きました。
人間には年相応の為すべきことがあります。
現在のこのCD吹込み中の私は65才ですから、知命50才の時から15年が経過しました。
今後の私にまだ天与の寿命があるならば、
「学問した人間が学問しただけ幸せになる」ことを、自分の残りの生き方を通して実証したいと思っています。
これは 個人の願望でもありますが、多くの方々に「如何に生きるべきか」を問い掛けてきた
『100万人の心の緑化作戦』の提唱者としての責任からでもあります。
- ホーム
- 先人の名句名言の教え 東洋思想に学ぶ経営学
- 第47講 「言志四録その47」
分を知り、然る後に足るを知る。
杉山巌海