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経済・株式・資産

第80回「資源価格下落と今後の景気動向」

会社と社長のための資産管理講座

日本国内は、東北の震災復興事業に加えて、東京五輪に向けたインフラ整備や再開発事業などが目白押しで、建設業界は人手も資材も不足状態が続いている。しかし、中国経済の減速に端を発した資源需要の減退が、原油や天然ガスから鉄鉱石や銅鉱石・石炭の価格下落を招き、豪州や南アフリカ、インドネシアなどの資源国経済を直撃している。
資源価格の下落は、一時的には消費国である先進国、特に輸入に依存する日本に有利だが、いずれ貿易停滞を通じて景気後退に跳ね返ってくる。米国の金融緩和が出口に向かうこの時期に、またもや厄介な不透明要因がふえた投資環境に関して検討してみよう。
 
1. 資源爆食した中国経済の実情は?
 いまや新興国も先進国も中国経済の動向を抜きに自国の経済環境は語れない。8月11日~13日にかけて中国人民銀行が、人民元相場の起点になる対ドル基準値を3日連続で、合計4.5%引き下げた。中国の景気実態が悪化していることは報道されてきたが、7月の新車販売が対前年比7.1%減少し、輸出も約8%減少したことに対する危機感の表れだ。
中国の国家統計の信頼性の問題はあるが、首脳部も信頼を置くという「電力消費量」の伸び率は1.3%に低下し、「鉄道貨物輸送量」はマイナス10%程度に落ち込んだとの報道もある。したがって、景気の減速は政策当局の想定以上で、今年の政府目標の『7%成長』に黄信号が灯ったと考えてよいだろう。
 
2.影響は上流(資源産業)から下流(消費財・流通)まで
上海市場の株式バブル崩壊(G20会議に於ける中国人民銀行周総裁発言)の影響が、自動車販売など高額商品の販売動向に及んできたことは、時間とともに上流の資源産業から下流の消費財や流通業まで波及する懸念がある。訪日客の爆買いが話題になる昨今、インバウンド消費に関連するホテルやデパート業界など日本国内だけでなく、中国経済に依存度が高い韓国やASEANにも影響が及ぶことも心配だ。
例えば、自動車産業は関連産業のすそ野が広いが、中国の自動車生産能力約5,000万台/年に対して販売見込みは約2,500万台/年。増加する在庫を削減するために値引き競争が激化し、販社や完成車と部品メーカーの業績が悪化することが懸念されている。
 
中長期的な視点で見れば、世界人口は現在の約73億人から2050年に約97億人に増加する(国連予測)一方で、鉱物や食糧・水資源は有限である。そこで、中国の高速成長から安定成長への移行が確認できて、過剰投資・過剰設備が解消されれば、現在の行き過ぎた資源価格の下落は本来の市場価格に是正されよう。その経過期間がどれほどか、誰にも予測できないことも考慮して、今後の資産設計や投資戦略を考えて頂きたい。   
 
以上

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