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マネジメント

第8回 ”ベストな目標”の与え方(2)

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

“与えられた部下も、その目標に納得する―――。”

部下に目標を与える場合、ポイントとなるのは、この「納得目標」を与えるということである。


そもそも、与えられた目標数値が同じであっても、それが自分の納得した目標である場合と、
相談もなしに強制的に押しつけられた場合とでは、達成意欲に差が出るものだ。
ある心理学者の調査結果では、2.6対1の差があるという。もちろん、納得目標の方が達成意欲は2.6倍高いということだ。

客観的に見て、相当程度妥当と思われる目標であっても、
与え方が一方的な押しつけである場合、84%の人が嫌悪感を示すという調査もある。


納得目標を与えるためには、目標を作る過程において、
一方的に作成するのではなく、部下に意見を述べさせるというプロセスを経ることがポイントだ。

誤解を恐れずにいえば、「上意下達」方式から、「合意形成」方式への転換である。

こうすることによって部下は、たとえ、結果的に自分の意見や考えが目標に反映されないとしても、
目標に対する親近感を増す
のである。時間はかかるが、目標づくりにタッチさせることが大事である。


もっとも、部下に対して“目標は10だ”といったところ、“8しかできません”という答えが返ってくる場合もあり、
「部下の納得」 にウエイトを置くと、会社全体の目標が達成されない、という問題も出てくる。その場合は、

“君のいうように、客観的には「8」が妥当なところだろう。10は難しいかもしれない。
でも、10を目指そうよ。残りの2の部分につ いては手を貸すから、ひと肌脱いでくれないか”

とフォローすることによって、10を納得目標とさせる。これが納得目標の基本のひとつである。


“What gets measured gets done.”
(計数化・測定化できるものは実行に移される) と はアメリカの金言だが、
それを待つまでもなく、目標とするからには数値が入っていれば、より具体的になる。
第一、その方が、達成具合を測定できる

その意味において、営業はいいとしても、その他の部門、
例えば、人事、経理、企画、開発などにおいては、目標を数値として設定することが難しいと考えるむきもある。

しかし、これらの間接部門においても、“新しい在庫管理システムを200X年X月X日までにスタートさせる”といったように、
月日で押さえることによって、計数化・数値化可能である。

“やろうという目標意識と問題意識”があれば、間接部門やスタッフ部門でも、目標の計数化はできるのである。



新 将命     

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