menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第167回 『 一人の上司につく部下の数』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

部長付や部長補佐といったように、
「○○付」「○○補佐」という肩書を廃止する企業が多くなっている。

私にいわせればもはや遅すぎたくらいで、「○○付」「○○補佐」など、
どういった権限があるのか明確でない肩書・階層は、なるべくなくすことが基本だ。

もちろん、銀行の「支店長代理」といったように
ライン職であるのがはっきりしていれば問題はそうないが、
これらのポストにしてもスタッフ機能を持たせてしまうと
責任の所在があいまいになってしまう。

そうしたことを含め、
「シンプル・スモール・スピーディーという組織を実現するためには、」
「統制範囲マクシマムの原則」についても心をくだく必要がある。

マクシマムということは最大限ということだが、この原則は、
一人の人間が持つ部下の数は、できるだけ多い方がよいということを意味する。

これが実現できれば、階層の削減にもつながるし、
部下を率いる側についていえば責任が広く重くなるので、
人材として育ちやすいというメリットも出てくる。


一人の上司が何人の部下を持つのが適当かは、
当然ながら、仕事の内容によって変わってくる

反復的・定型的な仕事になりがちな営業の場合は、
ある程度部下の数は多くてもいい。
営業支店長や所長であれば、1人で10人から15人の部下を持っていてもいい。
製造部についても同じことがいえる。

スタッフの場合はどうだろうか。
かたや広告宣伝担当のデザイナー、かたや総務といったように、
とくに違った形の機能を持つスタッフを抱える場合には、
4~7人程度が限界かもしれない。

いずれにせよ、どういったケースでも、
多いと思われるくらいの部下を管理させた方が、上司も育つし、部下も育つ。

最悪なのは、一人の部下に一人の上司というパターン。
人を育てることにはならないし、人件費がかかるばかりで、メリットは一つもない。

私の長年におよぶ体験から得た結論だ。


経営トップを対象に話を進めてきたが、
中間管理職であれば、この問題にどう立ち向かえばよいのだろうか。

部や課の増員を求めないことである。
営業部門であれば、「売上が上がらないのは営業マンが少ないからである」
と思わないことだ。

そもそも、
「売上を20%アップさせるためには、人員も20%増やさねばならない」としたら、
生産性の向上や収益性の改善をどこに求めるのか…。

できる限り少ない人数で、売上と利益の継続的な改善を図る。
こうしたスタンスを採用することによって、
部や課の体質は強化されていくのである。

そもそも増員しなければならないとすれば、
その前に、「既存の部員の教育と活用」に心をくだき、
能力のアップを実現してからのこととしたい。

理屈をいえば、
「既存の部員が、それぞれ二倍能力アップすれば二倍の仕事ができることになる」
のだから、このことを肝に銘じたいものだ。

第166回 『何事も基本が肝心』前のページ

第168回 『 動く組織、動かぬ組織』次のページ

関連セミナー・商品

  1. 社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

    音声・映像

    社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

  2. 会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

    音声・映像

    会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

  3. ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

    音声・映像

    ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

関連記事

  1. 第179回 『社長の「器」の大きさが、会社の存続を左右する』

  2. 第70回 『目標には期限設定を』

  3. 第95回 『口はひとつ、耳はふたつ』

最新の経営コラム

  1. 楠木建が商売の原理原則を学んだ「全身商売人」ユニクロ柳井正氏

  2. 第10講 WILLとMUSTをCANに変える:配属に不満がある社員とどう関わるか

  3. 第147回『紫式部と藤原道長』(著:倉本一宏)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 採用・法律

    第19回 『業務委託契約に潜む法的リスクとは!?』
  2. 社員教育・営業

    第107回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方28 チームとしての協力
  3. サービス

    21軒目 「一日かけても訪れたい究極のレストラン」
  4. マネジメント

    ナンバー2の心得(10) 正確な情報でトップを支える
  5. マネジメント

    第163回 『リーダーとして「場」を仕切る能力』
keyboard_arrow_up