ビジネス人生は、誰の下につくかによって大きく左右される。
良くも悪くも、その八割は上司がカギを握っているといっていいだろう。
もっとも、上司を自分で選ぶことはかなわない。
それだけに、できるならいい上司、
尊敬できる上司の下で働きたいと人事異動に一喜一憂する、
それがビジネスマンだ、という言い方もできる。
その上司について、ビジネスマンの半数近くはウマが合わないと感じている。
との調査結果がある。
そして、いくら時代が変わろうと、
この割合が高くなることはあっても、低くなることはないはずだ。
「ウマ」の合わない上司といかに「ウマ」く付き合うか…。
ビジネスマンの大きなテーマだが、
ウマの合わない上司に対応する方法としては、次の三つが考えられる。
(1)徹底的に逆らって、他の部署に異動されるようにする
(2)まがりなりにも上司なのだから、どこかに利点を見つける
(3)三年間じっと我慢する
(1)についていえば、
どんなにウマが合わなくても、陰口を含めて一年間は上司批判を避けた方が賢明だ。
上司にくってかかったところで、
マイナス評価されてボーナスで差をつけられるのがオチである。
よしんば他の部署に異動できたり、転勤できたりしても、
いつまたその上司が自分のとならないとも限らない。
あるプロ野球選手は、同じ監督に二度クビを切られた。
まず、ある球団で一回。二回目は違う球団で。
選手が心機一転、新しい球団に活躍の場を求めていたところ、
あとを追うようにしてその監督がそこに移ってきたからだ。
ということは、いやな上司の下で働くことになったら、
(2)の、まがりなりにも上司なのだから、どこかに利点を見つけるか、
(3)の、三年間じっと我慢する、を選ぶのがまずは穏当だということになる。
私の友人に、人間関係の名人がいる。
ある時その秘訣を尋ねたら、
「あなたを重要だと思っているんですよ」というメッセージを、
さりげなく伝えるのがコツだと教えてくれた。
そして具体的には、どんな人に対しても、次の四つを実践しているということであった。
・どんな相手にもていねいに接する
・相手を心からほめる
・感謝する
・スマイルを絶やさない
なるほどこれなら、「あなたを重要だと思っていますよ」と伝わるはずで、
上司にしても、マイナスのイメージは抱かないはずだ。
そのうちに、上司の利点が見えてくるかもしれない。