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マネジメント

第46回 『計画倒れを防ぐ5つのカギ』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

計画を立て、いざ実行しようという段になると、絵に描いた餅であることがわかった………。

こうした計画を「死んだ計画」と呼んでいるが、
「生きた計画」が実現されているからこそ優れた企業である、といいかえることもできる。

つまり、優れたリーダーであるからには、生きた計画を示さなければならないということになる。


計画が生きたものであるためには、以下の五つの条件が満たされていなければならな い。

(1) 長期と短期のバランスが取れていること
「優れた経営者とダメな経営者との差がひとつある。優れた経営者は長期と短期のバランスを取ることができる人だ」
とピーター・ドラッカーもいっているように、長期計画と短期計画のバランスをとってこそ生きた計画となる。

(2) 計画を立てる過程において、社員の参加・参画がなされていること
「Aという製品は六%の伸びが見込める、Bは三%、Cはマイナス、足りない分は新製品で補おう」
たとえば部長と課長の二人でこうした計画を立てたとして、それは計画というよりは、たんなる計算にすぎない。
生きた計画とは、部員の代表者、たとえば地区担当責任者などの参画を得て、
一所懸命論議された結果できた計画のことをいう。
こうした過程を経て作成された計画は、実行に移される確率がきわめて高い。
なぜならば、代表者を送り込んで意見を反映させたということで、
部員のあいだにも「われわれの計画」という共有意識が生まれるからである。

(3) 作成した計画が全社員にコミュニケートされていること
こうした指摘をすると、「商品の原価率まで社員全員に公開するのか」と反論してくる人がいるが、そんな
幼児的論議は無視し、部や課の方向性が部員に正しく理解されているかどうかについて最大の関心を払いたい。
部員の進むべきベクトルが同じ方向を向いていることがポイントだ。

(4) 計画が実行に移されていること
大金を支払って、立派な計画書を作成してもらう企業をまま見かけるが、
得てしてそういう企業では、実行に移されるのは最初の一ページだけということも多い。
いうまでもなく、計画は論文ではないのだから、実行に移されなければ意味がない。

(5) 事後評価とフィードバックがなされること
計画を実行に移せば、よかれあしかれ結果が出るのはいうまでもない。
結果を事後評価し、かつフィードバックすることによってはじめて学習が生まれるのである。
たんに、結果はこうでしたでは、何の意味もなさない。



新 将命     

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