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マネジメント

第62回 『自己暗示』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

自己暗示の効用について考えてみたい。

「隼」などの飛行機の設計者としてばかりではなく、マルチな活躍で知られた糸川英夫さん。
彼がかなりの年齢になってからチェロやクラシック・バレエを始めたことは有名だったが、
緊張することにおいては人後に落ちず、本番前のリハーサルではまともにできたためしがないそうであった。

ところが、本番、舞台の真ん中に出てスポットライトを当てられた瞬間、シャキッとなって大変身。
まったく間違えないでチェロを弾いたり、バレエにしても ひとつも振り付けを間違えずに踊れるという。


糸川さんは、その秘訣についてこう語っていた

“なぜ、こうした芸当ができるのかといえば、前日の夜に暗示をかけておくのである。
『明日の何時から何時まで、お前は○×ホールの舞台に出る。練習ではう まく弾けないところも出てくるが、それは
練習であって、本番になれば難しい箇所も見事に弾いてしまうに違いない』といった具合に、自己暗示をかけておくのだ。
するとその暗示が効いて、その時間にその場所に立つと、まったくアガらなくなって、
逆にものすごい集中力が発揮できることになるのだ”


一流の人は、何をやらせても一流である。
糸川さん自身にもともと備わっている才能や集中力を割り引いた発言だとしても、かなり含蓄のある言葉だ。

それというのも、たとえば、自己暗示をかけたり強く想い願うことによって、実際に道が開かれたなどというように、
人生は自分が思い描いた通りになる傾向が強いからだ。


すると多少乱暴だが、こういう言い方も可能ではないだろうか。
現在のあなたの環境や境遇は、良くも悪くも、おおむねあなたが考えたことや行ったことの結果である。
そして、いま思い描いているあなたの将来の姿は、かな り確実性をもって将来のあなたの姿である……。


成功したければ、成功を思い描け!

イメージ・トレーニングでも自己暗示でも良い。
将来の自分はこうなっているんだ、そのためにこんな努力をするんだ、
こうした肯定的な発想に基づいて目標を立て、心の中でいつでも明確に想い描いてみよう。


こうありたいと思うことによって、自分の行動も自然とそれを実現する方向に向かっていくはずだ。

哲学者ニーチェも言った
“心の中に未来にふさわしい像を描け。未来の生を思い巡らすならば、工夫し、発明すべきものが限りなくあるのだ”



新 将命     

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