組織の活性化という問題に取り組むとき、会議のあり方についても見直すことがポイントとなる。
そもそも、会議の多い会社は駄目な会社というのが定まった評価だし、
「会議も大事だが、トップダウンに勝るものはない」と考える経営トップは多い。
とはいえ、会議をまったくなくすことは現実には不可能であり、
たんなる儀式としての会議ではなく、効果的かつ効率的な会議にすることが何より求められ る。
たとえば佐々淳行氏は『平時の指揮官 有事の指揮官』 の中で、会議室から椅子を追放すれば、
小田原評定に陥ることなくテキパキと議事を進められるとして、「起立会議」を推奨している。
会議を開くにあたり、私が指導しているのは、次の三点である。
(1)可能ならば三日前までに、事前に会議のメイン議題と目的を全出席者に通知しておく。
(2)「××製品(WHAT)の、××県(WHERE)における販売額が減少しているので(WHY)、××パーセントアップ(HOW MUCH)
させるための販売促進案(WHAT)を営業部と販促部(WHO)で協議(HOW)のうえ、優先順位(WHICH)を決定して、
×月×日(WHEN) まで社長に (WHO) に提出のこと」といった具合にホワイトボードに「6W2H」を書き、議案を決定
する前にこれらがカバーされているかを確認する。
(3)事前に時間の割り振りをする。
会議の開始時間と終了時間を決めておいて、その時間内でマネージする習慣を身につける。
こうした取り決めをしておいて、次にリーダーとして心すべきは、
(1)異論を許容するばかりか奨励する
(2)部下の発言を途中でさえぎらない
(3)アイデア・キラーの言葉を慎むことがポイントとなる。
アイデア・キラーとは、先にも説明したが、たとえば「会社のポリシーに反する」「それは他の 部門の担当だ」
「コストがかかりすぎる」「実現できるわけがない」といったように、職場に不活性を充満させかねない言葉のことだ。
そのうえで、会議終了直後に会議の質について全員で採点し、評価することをすすめたい。
私が以前社長を務めていた日本サラ・リー株式会社でのチェックシートを紹介しておこう。
1.この会議は本当に必要ですか?
2.会議の目的を知っていましたか、その準備はできていましたか?
3.全員が会議スタート時刻には席についていましたか?
4.会議は時間通りにスタートしましたか?
5.議題はすべて消化しましたか?
6.次のアクション、何をいつまでに、誰がやるかということが決まりましたか?
7.会議は時間通りに終わりましたか?
8.会議の目的は達成されましたか?
9.全員が積極的に討議に参加しましたか?
10.出席者の数や、出席者そのものは、会議の目的にフィットしたものでしたか?
それぞれの項目について「0点」から「10点」まで全員に採点させると、
以後こういう点に気をつけようという学習効果が生まれ、効果的な会議ができるようになってくるはずだ。
新 将命