menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第157話 営業マンによる売上回収は、その場で決済できるようにしなさい!

強い会社を築く ビジネス・クリニック

世間ではAI、IoTの記事があふれています。しかし、中小企業ではまだまだ、それ以前のデジタル技術の活用が遅れているのです。

遅れている業務のひとつが、営業マンの仕事です。そのなかでも特に改めていただきたいのが、売上代金の回収業務です。

 

「うちにはまだ、集金日があります。」という声を、なんと今も聞きます。

「え?まさか、営業マンが得意先を回って現金回収するんですか?」

「そうです。」

と、平然と答えるのです。

「どうして振込み処理にしないんですか?」

と尋ねると、概ね同じ答えが返ってきます。

「集金に伺った際に、先方とコミュニケーションがとれて、新たな仕事に繋がります。」

 

じゃあ、現金集金などしない、世間の多くの会社は、顧客とコミュニケーションが取れていないのか、と言えば、そんなことはありません。

アナログ体質の中小企業が、古い習慣を体よく変えていないだけです。

 

まず、現金回収だと不正・横領が起きやすいです。長く取り組んでいれば、必ずその苦い経験のひとつやふたつ、あるはずです。

それに、支払う先方も、現金を用意しなければいけないので、面倒です。

さらに受け取った現金は、速やかに経理担当へ渡さないといけません。そのため、経理担当も残業してまで現金回収を待ち、金庫に一時保管しないといけなくなります。で結局、その現金は銀行へ持ち込まれ、口座へ入金処理されるのです。

多くの人が関わることとなり、大いなる手間なのです。

 

振込やその場の決済なら、そのような手間がかかりません。データ処理だけです。

『働き方改革!』と言うならば、このようなムダな行動を、やめてほしいのです。現金で集金をしても、何ら付加価値をもたらさないのです。

 

営業がお客様のもとで集金を行うような事業であれば、せめて現金ではなく、カード決済がその場でできるようにするべきです。

最近は百貨店も、各売場にある端末でカード決済するように変わりました。少し前までは、衣料・雑貨売り場などの場合、各売場でクレジットカードを預かり、店員がレジまで走って処理をしていました。

それがこの一年程の間に、カード決済端末を売場のいたるところで見かけるようになったのです。

「どうして?」とお聞きすると、こう言われました。

「お客様のクレジットカードをお預かりして、遠いレジまで移動するのは、問題があるんですよ。」

確かにそうです。不正や悪用の温床になりえます。

 

飲食店、美容院、車内販売や機内販売、葬祭業、運送業等々、特にサービス業では、クレジットカード端末による、その場での決済が標準的になってきました。

卸売業などでも、納品先の営業所に伺って集金するなら、せめてクレジットカードでできるようにすればよいのです。現金での回収など、やめるべきです。

もちろん、請求書発行ですぐに支払ってもらうなら、それにこしたことはありません。

 

「クレジットカードは手数料がかかるじゃないですか。」とおっしゃる経営者がおられます。が、現金回収しているほうが、手間がかかってよっぽど高コストです。不正や横領も起こりやすいです。

それがなぜおわかりにならないのか、不思議でしかたがないのです。

 

携帯型のクレジットカード決済端末も、いろいろあります。

最近はスマホを活用するものが多く、よく見かけるのは、スクエア、コイニー、楽天ペイ、エアペイ、あたりです。

各営業マンが出先で決済をいただくなら、スマホ活用タイプが低コストです。

それぞれのホームページから連絡を入れ、問い合わせてみればよいのです。

 

あるいは、NTTやKDDIなど、法人契約している通信会社があるなら、

要望をお伝えし、提案を促せばよいのです。各社、決済機能の端末サービスを扱っています。

現金回収は、もはや昭和の遺物です。

令和の時代に、そのような回収方法をしていては、ライバルに勝てるわけがないのです。

 

 

 

第156話 エビデンス・ファースト前のページ

第158話 回収サイトを縮めなさい次のページ

関連セミナー・商品

  1. 第36期 後継社長塾

    セミナー

    第36期 後継社長塾

  2. 社長の財務戦略

    社長の財務戦略

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第118話 環境利益 環境赤字

  2. 第27話 優良法人がどうした!

  3. 第125話 少人数私募債は、資本性借入金です

最新の経営コラム

  1. 第26講 カスタマーハランスメント対策の実務策⑬

  2. 第122回「紙書籍流通市場の救世主となるか」スターツ出版

  3. 第二十八話「二卵を以て干城の将を棄つ」

ランキング

まだデータがありません。

まだデータがありません。

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 健康

    第88回 河内温泉(静岡県) 露天派にもおすすめ! 日本一の総檜風呂
  2. 人間学・古典

    第86講 「帝王学その36」 林深ければ鳥棲み、水広ければ魚遊ぶ。仁義積もれば、...
  3. 社員教育・営業

    第23話 「ピンチはチャンス!有難う!」の精神やで
  4. 仕事術

    第55回 技術も戦略も革新的!ソニー復活の兆し?!
  5. コミュニケーション

    第27回 もらって笑顔になるひと言は?期待と不安を書き出そう
keyboard_arrow_up