menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第95話 「会社をキャッシュフローの良い体質にするのです。」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

ドラッカー博士が昨年は、もてはやされました。
先生は、キャッシュフローについても語っておられます。
ドラッカー先生の教えに、みなさん、どう努力されているのでしょうか?
先生は、経営者と企業は「顧客の創造」を第一に持っていきなさいとおっしゃっています。
経営者は、常に自社の売りものを買っていただくお客様を増やしなさい、とおっしゃっているのではないでしょうか?
 
顧客の支持を得、増大させるには、2つの事をしなさい、とおっしゃっているのです。
 
マーケティング/イノベーションの実践だとおっしゃっています。
 
今、皆様の会社が同業他社より圧倒的に有利な優位性を示すために、イノベーション(技術革新)の経営課題が明確にされていますか?
それは、設備投資ですか?
特殊専門能力の人材のスカウトですか?
工場建設ですか?
ソフトウエア特許の購入ですか?
それとも企業買収をお考えですか?
 
少々の手の打ち方では効果は知れたものです。
革新とは、古いすべてのものを破壊し、全く新しい技術、造り方をやらないと革新にはなりません。
 
「井上先生、実はわが社でも○○工場の遊休土地に新工場を作りたいと思っているのですが・・・」
「いいじゃない、おやりになったら!」
「それが、40億50億の投資になるのです。」
「売上が60億で投資が40億、いやちょっと大変ですね。」
「現預金で10億もっておられるから、実質借入は30億か!」
しかし、40億でおさまりゃいいが、実際は、工事がはじまると
すぐさま10億ぐらいオーバーするからね」
 
年商60億、新規投資40億。
やはり将来市場がどうなるか分からないので、決断には大変な苦心を要します。
 
経営は、挑戦ですが、キャッシュフローが確実でないと前に進みづらいのです。
キャッシュフローとは、減価償却+利益高です。
 
新たな投資は、減価償却が増大しますので良いでしょう。しかし、新規投資を実行し、大きな利益が得られるか?
そこのところが大切でしょう。
古い設備では間違いなく時代に取り残されます。企業は新たなる挑戦をしなくてはならないでしょう。
 
だから、口が酸っぱくなるほどキャッシュフロー経営を実践しなさいと申し上げているのです。
売上高利益率ばかりに目が向きがちですが、自社の所有する資産(流動、固定)を洗い直し、減損をして特別損失を計上して、納税を押えるのもキャッシュフローの大きな改善です。
 
大きな投資―大きな借入金、それを10年かけてきっちりと返済してゆく経営計画が必要となります。

私は、「無借金を目指せ」とだけ申し上げているのでは、決してありません。
キャッシュフローが善循環している会社は、次の新たな経営革新のための革新的技術の修得、革新的な設備投資が可能になってくるからなのです。
 
新たな投資額は、1億、5億、10億、20億、30億の企業規模によって異なりはしますが、本当に他社を圧倒する差別化した新たな技術、先進的商品なりを得ようと思えば、かなりの投資の資金力が必要なのです。
 
従来の借金の上に、新たな借金をしようとすると、金あまりの時代は、簡単に借入できても、元金、利息の返済となると、当事者の方々には大変な覚悟がいることなのです。
 
無借金の状況から、新しい借金する、利率交渉をする場合、借入条件が非常に有利に運ぶのは想像がつくでしょう。
経営を革新したいのなら、会社をキャッシュフローの良い体質にすればいいのです。

 

第94話 「なぜ、キャッシュフローが大切なのか?」前のページ

第96話 「M&A 立ち会って思う事 その(1)」次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 第39期生「後継社長塾」2026年4月開講

    セミナー

    第39期生「後継社長塾」2026年4月開講

  2. 井上和弘の経営の核心102項

    井上和弘の経営の核心102項

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第109話 「東芝不正会計問題と売上至上主義を考える」

  2. 第101話 「危機感をもっていました人手不足時代が 又 やってきました part3」

  3. 第2話  「人手不足?人手を省け!」

最新の経営コラム

  1. #13 一流の〈ミスのフォロー力〉-仲間にミスがあった時-

  2. 第83回『視察レポート!世界はますます2極化 勝ち組と負け組の違いは何か?~アメリカ&CES視察レポート ポートランド、ラスベガス、メキシコシティ~』

  3. 第60回 ライバルは常に自分自身である

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社員教育・営業

    第23回 「伝言メモを残す時」
  2. 製造業

    第4回「見える化を駆使しよう」
  3. サービス

    9軒目 「開店前から行列ができる焼肉屋」
  4. 税務・会計

    第13回 売りモノの商品力が強く、高くても買ってもらえる
  5. 戦略・戦術

    第70回 『最近聞くセルフ・コンパッションとは何か?』~自分の扱いを変え、自分も...
keyboard_arrow_up