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製造業

第263号 工程表示は必要?不要?

柿内幸夫─社長のための現場改善

 皆さん、こんにちは。今回も私の著書「改善の急所101項」から1項を紹介し、実践編として実例を挙げます。

【急所54】機械や設備には、工程の順番と流れレイアウトが確認できる番号表示をせよ。(130頁)
 
 
 さて、毎日暑い日が続いています。先日、指導先で休憩時間に、皆さんの談話に入れてもらいました。
 
 話題は、この夏の暑さ。そこで私も、自分が小学生の時の学校解放プールのことを思い出し、こんなお話をしました。
 
 「当時(50年以上前)は(水温+気温)が50℃以下だと、寒いからプール開放が中止になったけど、今みたいに暑いと、50℃以下になることはないでしょうね。」
 
 すると、輪の中にいた一人が「今でも(水温+気温)の数値で、プールの開放中止はありますよ。先日私の息子は、プール開放が中止でがっかりして帰って来ました」とのこと。
 
 「そんな寒い日があったかなあ」と首をひねっていたら、「今は、その合計温度が60℃を超えると、暑すぎるということで中止になります」と、の驚きの答が返って来ました。
 
 その話を聞いてはっきりと分かったのですが、現在の暑さは、昔の暑さとは全く違います。昔は、暑いといっても、体温を超える暑さはそうはありませんでした。
 
 しかし今は、毎日体温を超える勢いです。そして工場では、外気温以上に暑い現場もたくさんあることでしょう。現場の皆様が決して無理をなさいませぬよう、みんなでお互いの健康を注意しあって、ちょっとでも具合が悪そうな同僚がいたら、すこし休みを取るようにアドバイスをしてくださいね。
 
 閑話休題、今回は工場内の「工程表示」についてお話します。
 
 現場に行くと、各工程にその工程の名称を示した看板がかかっていることが多いです。
 
 たとえば、「プレス工程」、「溶接工程」、「塗装工程」などです。これは、私にとっては見慣れた光景であり全く違和感はないのですが、先日改善活動をしていた工場で私が「工程表示をしよう」と提案したところ、周りの皆さんはあまりいい顔をしてくれませんでした。
 
 「なぜ、賛成してくれないのだろう。看板を作って高いところからぶら下げるのが大変だからかな…」と思って聞いてみると、そうではありませんでした。
 
 理由は、看板を作って工程名を表示することの意味が分からないとのことでした。
 
 すなわち、職場のすべての人は、自分の担当する工程名を知っている。そして、うちの職場には外部の人もめったに入ってこない。だったらそんな工程名称表示は、有る意味が無いということでした。
 
 さあ、この考え方に対してアナタのご意見はいかがでしょうか? 工程名称表示の設置に賛成?それとも無意味とお考えでしょうか?
 
 私の答えは、「工程名称の表示板は無くても構わないけれど、工程順番の表示板はぜひともつけて欲しい」です。理由は、経営者にとって、これが新たな改善点を見つける助けになる可能性が大きいからです。どういうことか、以下ご説明いたします。
 
 私はいつも現場改善でモノが清々と流れる状態を作りたいと思っています。工程間でモノが停滞しないことや、モノが行ったり来たりしないで、スタートから順にスムーズに移動する工程順レイアウトであることを目指します。
 
 ところが、工程ごとの“作業”は短時間で見ることができますが、モノが第一工程から最終工程まで加工されて“移動”していく様子を短時間で見ることは、とても難しいです。
 
 ロットサイズが大きければ何日もかかりますから、そう簡単には自分の目でみることはできません。
 
 しかし、もし現場の設備や工程に工程順番が分かる通し番号がふってあったら、現場で工程の順番に沿って流れのチェックをすることが容易になります。
 
 1→2→3と順番に工程を追ってきて、もし次にある設備に5と工程番号がふってあったら、誰でもが4はどこだ?と知りたくなるはずです。4は別の建屋にあったり、外注工程であったりするかもしれません。
 
 そういうことが分かれば、そのことが問題点として頭に入りますから、改善のスイッチが入ります。その職場にいる担当者の方は昔からそうですから、その事実は知っていても問題とは思っていないかもしれません。
 
 しかし、経営者の方は逆に知らないので、問題の存在に気づきませんでしたが、このような表示があれば、現場の中にある目に見えなかった問題点が見えるようになるので、当然に改善の力が働き始めます。
 
 というわけですが、ただ番号が書いてある看板だけでは今度はそれが何かがわかりませんから、工程名も書いていただき、工程名と工程順番の両方が書かれた表示板が欲しいと思います。

 

263.jpg

copyright ゆきち先生 http://yukichisensei.com/

 

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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