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製造業

第153 号 多能工化のすすめ

柿内幸夫─社長のための現場改善

 あれっ、もう?! あっという間に3月になりました。だんだんと明るく暖かくなってきて嬉しいです。花粉症のことを除くと…、ですが。


●おひな祭りのときに、黒壁で有名な長浜の商店街で見つけました。享保期(1716-1735) の作だそうです。時代の重みを感じます。

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 さて、今この厳しい時期に実行しなければいけないこととして、これまでに下記の4項目をご紹介しています。

 ・全体最適で考える

 ・全員の力を総動員する

 ・情報を共有化する

 ・心を積極的に明るく持ち続ける

 今回は先回申し上げました通り、2番目の「全員の力を総動員する」について、まず第一歩を踏み出すという意味で身近にある「多能工化」を取り上げて具体的にお話しします。

 「多能工化」とは、文字通り、多くの工程を受け持つ能力を持つ人を養成することですね。なぜ、この能力が必要になるのでしょうか?

 その理由を考えるために、もし、すべての人がただ一つの仕事しかできない状態であったら、どんなことが起きるかを、考えてみましょう。

 まず、休みが取りにくくなります。あなたがいないと他の人では代わりができない状況だと、明日お休みする場合は、今日中に自分が担当する明日の仕事の分を、すべて準備しておかなければなりません。

 もし、あなたが中間の工程の仕事の担当であれば、準備をするためには前工程の人達に、そのための材料の準備を、早めにお願いしなければなりません。

 また、当日は後工程の人達が、あなたが前日までに一日分ためておいたその中間材料を取りに行かなければならないので、それも大変です。そればかりか、前工程の人達はその日はすることがなくなってしまいます。

 そして、そこまで準備していても、注文が急に増えるなど突然の変化対応は、あなたがいないので不可能です。こう考えると、あなたはよほどのことがないと休みが取れないことになってしまいます。

 次に、会社の変化対応力は、とても低い状態で推移します。一つの会社でいくつかの製品を作っていた場合、それらの受注の割合は日々変動します。

 今日はAという商品にたくさん注文が来たが、明日はBに注文が殺到するということはありえます。その時に、会社の人員構成がAしかできない人とBしかできない人ばかりであったらどうでしょう? 

 ある日はすごい手待ちで、次の日は徹夜しても間に合わないといったことになってしまい、会社のロスはばく大になります。

 もし、全員が多能工化されていて、AもBも作れたら、日々の変動は何でもないはずなのに、その逆だと大問題になります。他にも、いろいろな問題が起きそうです。やはり、多能工化ができているといないとでは、いろいろな面で違いがでそうです。

 この文章を読んで、ずいぶん大げさだなあ、うちの会社ではそんな問題は起きないよ、と思う方もいらっしゃると思います。しかし、もしそんなことが起きないとすると、それは在庫があるからです。

 今の厳しい時代に在庫をもつことを前提に仕事をすると、それ自体が大問題です。なぜなら、在庫を少しでも減らして、キャッシュを生み出さなければいけないからです。

 ところで、私達に身近な多能工化は、マクドナルドなどのファーストフード店です。あなたの番が来たら、目の前の店員さんがあなたから注文を聞いて、ポテトを入れ、コーヒーを注ぎ、ハンバーガーを運んで注文の品をそろえ、代金を計算してお金を受け取っておつりを渡すというすべての工程を、一人で一気に実行してくれます。

 これは、だいたい1分で終わります。昔からずっとそうですから当たり前に思いますが、これは結構すごいことです。それぞれの専門家がそれぞれの場所にいて、順番にたらい回しされるという病院みたいなやり方だったら、ファーストフード店はあんなにはやっていないのではないでしょうか。

 さて、次回は、多能工化の進め方についてお話します。そこで、次回までに、あなたの職場で多能工化ができたらいいなと思うところを見つけて、観察しておいて下さい。よろしくお願いします。

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copyright yukichi

※柿内先生に質問のある方は、なんでも結構ですので下記にお寄せください。etsuko@jmca.net

 

 

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