3倍の仕事量を同じ社員数でこなす「多能工」
Q 高い給与は社員にどのような影響を与えましたか?
ものすごくモチベーションが高まりました。それからチャレンジ精神が育ちました。
1つの機械を使っていた社員が2つの機械を使いこなす、それから3つの機械、5つの機械…となると、工場が分かれていましたから、工場間を移動して、忙しい時は30分ぐらい離れた工場に行かなくてはいけません。
それでも、作業服を着て、安全ブーツやヘルメット、重い荷物を持って現場に向かい、一所懸命に様々な機械を操作していました。
平鍛造では、様々な手当てを用意していましたが、複数の機械を使いこなせるようになる「多能工」になれば、月5万円の手当がつきます。社員同士で操作を教え合う環境が生まれるなど、社内に良いエネルギーが流れていました。
このように多能工を育成して仕事の負荷を解消しておけば、注文が集中したときに、多能工が素早く生産支援をして、残業なく納品が可能になる。人を増やさず対応することができます。常に効率を重視してラインを組むことで、同じ社員数で、3倍の仕事をこなせる会社にすることができ、高給与を実現できました。
よく低い給与で「社員を愛している」などと言う社長がいますが、それは本当の愛ではありませんよね。高い給与をもらっていることは社員も誇りに感じますし、仕事のやりがいにもつながります。社員のイキイキとした姿を見ることができ、私も誇らしく思いました。
経営者としての本当の愛とは
Q 最後に、中小企業の社長へメッセージをお願いします
とにかく中小企業の経営者は、自分が全てのことを理解して経営していかなくてはなりません。
例えば、今の時代であれば「生産性を高める」ことに対して、社長自身がある程度理解して、自社でどのようなことができるのか、あるシステムをどのように使えば、効率的に仕事をさせることができるのか、を社長が勉強しなかったら「せいぜいAI使ってやってみて」というような丸投げの仕事のやり方しかできません。それでは利益爆発は生まれません。
一倉先生が仰っていた「中小企業の社長は、会社で起こることは全て社長の責任」という言葉は、私も声を大にして、多くの社長に言いたいと思います。
自己反省の繰り返しで己を磨く!
あるとき、寝坊した社員に対して「なんで寝坊するの?早く来て!」と言ってしまったことがあります。その社員は慌てて出社して、電信柱にぶつかって自損事故を起こしました。
「早く来て!」と言ったらこんなことになるんだ。ここで一倉先生の言葉を思い出して自己反省し、改善策をひねり出します。突き詰めて考えたら結局「遅れてもいい」と言いました。
社員みんなに「もうとにかく寝坊してしまったら遅れてもいい。その遅刻を問わないからゆっくり来てくれ。その代わり、その遅れた分をカバーしてやってくれ」と言いました。
その後は一切、遅刻はなくなりました。やはり社長自身が反省すること。社長の反省から本質的な改善が始まります。
会社にいれば日々、自己反省の繰り返しです。全てにおいてこのような感じでした。だから私は、セミナーに来た社長から「社員が何かにチャレンジしてくれない」、「思った通りに動いてくれない」、とか何かと相談されます。社員、部下のことを愚痴るリーダーは論外だと思います。
「己を磨け」ということです。良い会社をつくりたいのであれば、これ以外にありません。
ビジネス見聞録WEB10月号 目次
・p1 収録の現場から 〈新将命の「社長塾」音声講座〉
・p2 講師インタビュー【爆発的な利益《利益爆発》を生み出す社長の姿勢】平美都江氏
・p3 今月のビジネスキーワード「ヘルステック」
・p4 令和女子の消費とトレンド「令和のベビー市場はなぜ堅調?②」
・p5 展示会の見せ方・次の見どころ
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