よく受ける相談に「海外で日本のテレビを見られませんか?」、があります。その多くは企業の海外駐在員やその家族で、日本で報道されているニュース番組を見たいとか、余暇にドラマを観たいなどの要望が中心です。
外務省が発表している「海外在留邦人数調査統計」によると、永住者を含む海外長期滞在者は増加傾向にあり、2013年度は約125万人に。こうした相談が増えるのも頷けます。
また、出張や旅行中でも、日本のテレビ番組をチェックしたいときがあります。例えば、世界的なスポーツの祭典は、海外のテレビ局でも放送しますが、地元のチームや選手が中心で、ガッカリした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、海外で日本のテレビが見られる機器、「Slingbox 350」をご紹介します。
自宅の映像を転送!「Slingbox 350」
写真: 「Slingbox 350」本体。手の平に乗るほどコンパクト。
「Slingbox 350」は、自宅の映像を、インターネット経由で、何処からでも見られるようにする機器です。 (製品ホームページ)
設置の基本は、自宅に設置したテレビチューナー内蔵レコーダーに接続し、視聴は、屋内、屋外、国内、海外を問わず、ネットに接続できる環境なら何処からでも、パソコンやスマホ・タブレットで行えます。
原則、日本に自宅を残し、テレビ放送が受信できるレコーダーやインターネット接続環境が必要です。
自宅を引き払って海外赴任している場合は少し困ったことになりますが、実家や所属している会社に協力して貰うのも良いでしょう。
使ってみました「PC編」
写真: 手前は筆者が使っているパナソニック製レコーダーのリモコン。奥は、PC上の視聴画面で右側には形状、デザイン、ボタン配置がウリ二つのリモコンが出現。出先からも、自宅と同じ感覚でレコーダーが操作できます。(対応メーカーの確認はこちら)
これなら、機器操作が苦手なご家族が視聴するにも不便はないでしょう。映像を大きくしたい場合は、画面一杯に引き延ばすこともできますし、HDMI出力を備えたパソコンなら、テレビに接続して大画面に映し出すのも良いでしょう。
なお、画質は、インターネット回線の通信スピードによります。「Slingbox 350」を接続した日本の自宅のインターネット回線(上り)から、視聴するパソコンまでを通して、3Mbps程度以上の通信速度が確保できると、ハイビジョン画質に迫る高画質で視聴可能です。
加入しているインターネットサービスの通信速度が遅い場合や、混雑して通信速度が低くなる場合、画質は低下しますが、視聴を続ける事ができます。
また、通信速度が遅いと、映像の遅延時間も長くなり、操作から画面が反応するまで数秒掛かります。これは、「Slingbox 350」に限ったことではありませんので、予め留意しておきましょう。
写真: iPhone5での映像視聴例。
写真: リモコン操作画面例。
画質は通信速度に左右されますが、国内で4G/LTEなどの高速回線や、Wi-Fiが利用できれば、小さな画面では充分過ぎる程の高画質で映像を見ることができます。
パソコン版に比べるとシンプルですが、レコーダーのリモコン操作も行えます。録画予約はやや面倒ですが、録画済み番組を探して再生するのには充分です。(録画予約は、別途レコーダーの専用アプリで行うと良いでしょう)
さいごに
長年海外で暮らし、現地の言葉でコミュニケーションできるようになっても、やはり母国語はリラックスできるものです。仕事の情報収集のみならず、日本の何気ない番組を眺めて気分転換すれば、活力も湧いてくるでしょう。海外駐在員を抱える企業なら、福利厚生の一環として、導入支援を検討してみてはいかがでしょうか。
【Slingbox 350 製品情報】
価格: 21,800円(税別)~
製品ホームページ: http://www.slingbox.jp/index.html
鴻池賢三