ニュースでもよく見聞きする「VR」(Virtual Reality/バーチャルリアリティー)。本連載で取り上げるのも3回目になりました。
直近では“
第88回「VR/ARに続くMRとは?」”で最新状況をお伝えしましたが、360度全方位から取り囲まれるような立体映像を用い、仮想的に現実を体験することで、時間の節約、費用の節約、安全性を確保しつつ、危険回避訓練など、様々な分野で活用が始まっています。
具体例としては、自宅に居ながら海外旅行気分を味わう、コンピューターグラフィックスで描かれた航空機内で乗務員の訓練、設計図を基にした建築物の事前確認など。もちろん、用途は無限で枚挙に暇がありません。読者の皆さんの業務でも、アイデア次第で威力を発揮するに違いありません。積極的に利用を検討する価値があります。
しかしながら、3D映像を用いたVRの効果を、文章で読んで理解するのは不可能というもの。そこでおすすめしたいのが、スマートフォンを用いた“簡易型VRゴーグル”での体験です。
■簡易型VRゴーグルとは?
一口にVRゴーグルといっても、コンピューター機能を内蔵した高度な専用機から、スマホを流用する簡易タイプまで様々。映像の品質や視野の広さなど、クオリティーの観点では専用機が優れていますが、体験なら「スマホ流用」タイプでも充分に可能です。
今回は、具体的な製品と、コンテンツ例をご紹介しましょう。
スマホを流用するVRゴーグルは、ネットショッピングサイトで「VRゴーグル」と検索すると、3千円~1万円前後で多数見つかります。
今回は、日本の大手メーカー「エレコム」の製品の一つ「
P-VRGSB01BK」(実売価格は5千円前後)を例に、使い方をご紹介したいと思います。
VRゴーグルは、左目用と右目用のレンズを持ち、虫眼鏡のようにスマホの映像を拡大して見る機能を備えています。そう、肝心の映像をスマホに任せることで、低価格でVR体験ができるという訳です。誰もが所有しているスマホを流用した上手いアイデアと言えます。
VRゴーグルは沢山製品化されていますが、違いはレンズの性能(視野が広く周辺部までピントが合っている製品は、3D映像の品質も良く疲れにくい)や調整機能(ピントや目の幅には個人差がある)などです。ちょっとVRを体験したい…という用途なら、安価な製品でも良いでしょう。少し興味を持って映像を鑑賞したいなら、高性能なレンズときめ細やかな調整機能を備えたタイプから選びましょう。
今回ご紹介するエレコムの「
P-VRGSB01BK」は、上質なレンズを搭載して高画質で、ピントも目の幅も無段階で調整が可能です。さらに、ヘッドバンドはハードタイプで、頭部にきちんと固定すると、スマホを装着して重くなったゴーグル本体の重量を受け止めてくれるので、重量感も緩和してくれます。さらに特筆すべきは、ゴーグル部分をハネ上げられること。周囲の状況を確認したい際も、ヘッドバンドはそのままで済むので、スピーディーかつ正確に元の装着状態に戻って映像を見ることができます。