連休を利用して気仙沼を訪問した。
あの震災から4年の月日が経った復興商店街や港など被災地を見学した。同行した妻はいまだにプレハブで営業している様子にいささか驚いていた。
さて、今回はそんな気仙沼の地域密着の人気中国料理店『中華家かいか』を紹介しよう。
『かいか』は気仙沼の中心地から車で10分くらい、一関から入口に近いほうの郊外にある。
人気メニューは、気仙沼がふかひれの名産地とあって、ふかひれ料理だ。オーナーの梶原さんのお父さんは鮪漁船に乗っていたという。もちろん、良い時代の鮪漁船だ。
ところで、鮪漁船は操業するとよくサメがかかる。それも大きなサメだ。そんな極上のふかひれが持ち込まれることもあるというのが、この店だ。とてもふかひれと縁が深い店なのである。
このようなローカルな中国料理店ではあるが、『かいか』では、“ふかひれの姿煮”は注文が入ってから20分かけて下味をつけるスープで煮込み、その後白湯スープで25分~30分かけて仕上げる。そんなことがあってか、庶民にはなかなかなじみがないふかひれの姿煮だが、人気なのである。
今回は、私が予約をしておいたということもあり、真子鰈の料理を出してくれた。真子鰈の身はパプリカやアスパラや葱などの野菜とともに豆鼓で炒たものだ。
野菜の甘く、ふっくらと蒸された豆鼓のアクセントがとても印象的でうまかった。器もこっていて、身を外した尾頭付きの骨風干しにしておいて、それを低温で揚げてサクサクと食べられるようにしてあった。
麻婆豆腐は味噌が効いていて田舎風の味わいだが、濃厚でうまい。ラーメンや餃子も人気である。
日常の気軽な食事から、家族での集まりなどなど幅広い利用動機に対応しているとても使い勝手のいい店だと思う。
最後に、震災後に梶原さんの安否を心配していたら、SNS経由で、「梶原さんが無料でラーメンを提供している」という報告が現地の知らない人から入った。梶原さんのご一家はみんな無事だったのだ。そして、その人は「いかにも梶原さんらしい」と付記していた。
まだまだ、復興に時間がかかりそうではあるが、海沿いの道路の高さも決まったようで、今回の旅で、気仙沼の人の温かさや優しさ、そして笑顔にふれることができた。これから未来に向けて確実に進んでいるように感じた。
気仙沼に輝かしい未来があることを祈念したい。
中華家 かいか
宮城県気仙沼市明戸60-1