とんでもない未来の描き方
その一つの方法が、以下の**を埋めることです。
わが社が「日本の**を変える」。
「**」にはわが国の社会的な問題が入ります。
その社会的な問題を、わが社の経営資源を駆使して変えていこうというのです。
「世界の**を変える」としてもいいでしょう。
例えば、岐阜県各務原市にツキオカという会社があります。
社員数100名強の食用純金箔や箔押印刷のオンリーワンメーカーです。
同社は2000年以降、金箔(薄いシート)を製造する技術を使って、口の中で溶けるシート状のフィルム製剤事業に乗り出します。
そして、医薬品製造業認可等を得て、今では社名をツキオカフィルム製薬株式会社と改変しました。
アフリカには、病気の人が大勢います。
しかし、彼らに薬を届けても、飲み水が不足しているため、薬が飲めません。
そんな時、ツキオカのフィルム製剤を口に含むとクスリを摂取することができるのです。
このときの同社のビジョンは、
「貧困に悩むアフリカの子供たち6億人の命を救う」
というものです。
私は同社のビジョンを知った時、その壮大さに感動しました。
このビジョンは、自社の技術の延長線上にあるものですが、自社が大きくなる、いつかこんな商品を創りたい、売りたいといった自分中心で描く未来とは随分違うように思います。
社会に存在している問題に注目し、「その解決のために、当社には何ができるか」を考えて、その実現を目指したのです。
問題は解決すると価値に変わるといいますが、社会に「価値創造」を果たすことがオンリーワン企業にぜひとも目指してほしいところです。