カリフォルニアのパームスプリングで行われるメジャートーナメントクラフト・ナビスコオープン。この大会に招待された馬場ゆかり選手に帯同してきました。
トーナメントは、風、温度、コース自体の難易度などなど選手達にとってはとても厳しい状態でありましたが、今回はこのトーナメント開催中に出くわした、ある面白い場面についてお話したいと思います。
それは、世界ランキングNo.1のプレイヤー台湾出身のヤニチェン選手についてです。
彼女は、女子ゴルフ界では全盛期のタイガーウッズ選手の様な存在で、何とその勝率は5割。(2012年4月13日現在)
現在6試合を終えて、優勝3回、トップ10は一度も外していな文句なしのスーパースターなのです。その彼女が偶然、我々が食べに来ていたタイレストランにきました。
そのレストランは、我々が来た時には既に混み始めており、ヤニ選手が到着した頃にはずいぶん混雑していました。我々は先に席について食事をしていたのですが、彼女はおそらく30分近く待たされていたはずです。
これはもちろん誰もが経験する様なものなのですが、トーナメント開催中の選手、まして彼女の様な立場の人間が文句ひとつ言わず、この様に長い時間を待たされる光景は日本でもアメリカでもあまり見かけることはないでしょう。おまけに後で分かった事なのですが、彼女はマネージャーの分も持ちかえるように頼まれていたので、その分も踏まえて更に待たされたそうです。
この話のポイントなのですが、我々は時としてどうすることもできないことに対しフラストレーションを感じることがあります。
例えば、車で移動中に道が混んでいたり、天気が悪かったり、今回のようにレストランで待たされたり。しかし、この様な時に、どの様な反応をするかでメンタルのタフさを決定します。
プロのアスリートであれば、全く自分の落ち度でなくても集中力を乱される場面が、いくらでもあります。特にゴルフは観客との距離が近い為、携帯電話の音(本来使用禁止)や観衆の話し声などは、いくらでも起きてしまうものです。しかし、そのような時にカッとなって怒りを感じ乱れてしまう人はこの世界では生きていけません。
でも実は我々も同じなのです。電車に乗れば怒る理由などいくらでもあります。車に乗れば声を出したくなることなどいくらでもあります。
しかし不可抗力に対し簡単に怒ったり、心が乱される人は今後も何十回、何百回と自分に落ち度のないことに反応されられてしまいます。
23歳のスーパースター・ヤニチェン選手の平常心を我々も見習っていきましょう。彼女がいつもニコニコしていられる秘訣が分かるかもしれません。