御殿場、佐野、木更津、酒々井など大きなアウトレットモールの多くが高速道路のインターチェンジ周辺に立地しているのに対して、軽井沢のアウトレットモールは新幹線・軽井沢駅前という立地に特徴があり、自動車と新幹線の両方から集客できるというメリットがある。
その軽井沢プリンスショッピングプラザは、今年7月2日に、新たに「ツリーモール」というエリアを増設、54店舗が増えて211店(秋には240店)8,600平米となり、日本最大級のアウトレットモールとなった。
ツリーモールには日本でアウトレット初出店となるロンハーマンをはじめ、アレキサンダー・マックイーン/セルジオ・ロッシ、バナナ・リパブリック、ラルフ・ローレン・ホームなどの新規24店に加えて、グッチ、ボッテガ・ヴェネタ、コーチ、アーバンリサーチ、シップス、プーマなど14店が他エリアから移転して来たので、有名ブランドや高級品を見て回る人にはツリーモール~ガーデンモール(ブルガリ、ダンヒル、フェラガモ、トッズ、エトロなど)を効率的に回れるようになった。
また、ウエストモールの元のグッチの場所にはふとんの西川が入り、周辺にあるティファール、ゾーリンゲンなどと家庭用品関連もまとまった。
屋内500席、テラス100席のラーメン、お好み焼き、チャーハンからステーキまで揃ったフードコート、タリーズコーヒー、コムサカフェなど飲食店も大幅に増えたし、アウトレットに限らず軽井沢には多い犬連れ客用のドッグカフェやドッグランなども新設されている。
年間を通して何度もここに買い物に来て不便に思っていたのが、同じ客層の店舗がバラけていたこと、飲食店や喫茶店などが少なかったことなどだったので、今回の増床リニューアルでこれらはほぼ解消された。
今回の増床の狙いは、親・子・孫の3世代だというが、それぞれに自分の興味のあるお店を見て回りながら、フードコートやカフェで待ち合わせができるようになったので、これまで「あそこは広くて疲れるから」と敬遠していた層も取り込めるかも知れない。
来年3月には長野新幹線が金沢まで延伸することが決まっており、石川県、富山県からの集客も期待できることから、昨年の過去最高売上である358億円を上回る、年間400億円の目標も達成できるのではないかと思われる。
軽井沢アウトレットの強さは夏休み、暮れ正月、ゴールデンウィークといった全国から観光客が集まる時期以外の週末にも群馬県、長野県、埼玉県など周辺地域の人達が買い物に来ることなので、その面も含めて今後の動向を注意して観察してゆきたい。