前回、「個々のスキルにばらつきがある場合の社内研修の仕方」についてお話しました。今回は「自分では出来ていると思っている方が、実は周りから見ると出来ていない方への対応の仕方」についてお話します。
1. 「中堅社員のブラッシュアップ研修」のようなうたい文句で、対象となる方を含めて数人に声をかけ、その方に改善を望む項目を含めて数項目のシーンを撮影します。このとき数人・数項目がポイントです。対象となる方に、ターゲットは自分?と気づかれないためです。
2. 「周りから見ると出来ていない方」に、社歴の浅い方の指導をお願いします。そのときの指導の依頼内容は、その方自身に直してほしいことを含めて数項目お願いします。教えるということは自分がよくわかっていないと上手く伝える言葉が出てきません。お手本の仕草を見せるときも事前の勉強が必要です。そのため、教えることは学ぶことに通じるのです。
3. コミュニケーションスキルの一つとして、「アサーション」という分野があります。アサーションは、相手の立場を尊重しながら自分の意見をしっかり伝えます。一方的に言い過ぎない、伝えたいことを我慢して言葉にしないではなく、主張はきちんとするが相手の気持ちを推し量った表現で伝えるのがアサーションです。言葉を変えると、「○○してください」と伝えるより「○○をお願いできますか」と伝えると、人の心としては「お願いできますか」と頼まれたのだから○○をしようと思うのです。同じ内容にしても表現の仕方を考えて伝えると、受け入れてもらえるかどうかに違いが出てきます。
「表現の仕方を考えて伝える」を活用して、周りから見ると出来ていない方への伝え方としては、「Aさん、実は『Aさんに言おうかどうか迷っている』ことがあります。聞いていただけますか。」と自分の気持ちを率直に言うのがよいです。3については、言葉が重要なので日々アンテナを張って言葉(職場での会話・映画やテレビなどで心に響いた会話など)の収集をしておくと役にたちます。コミュニケーションの基本にはお互いの信頼関係があるので、いずれにしても普段から笑顔で気持ちの良い挨拶はかかせません。相手から耳を傾けてもらえる自分作りを常に意識することが大切です。さらにアサーション権(誰もが持っている自己表現の権利)について触れておきます。
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