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- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第233号 本格化するシニア通販
各業界において、シニア通販の取り組みが本格化している。生協系では、神奈川・静岡・山梨3県を地盤とするユーコープが、今秋、介護用商品冊子『Care Time』を新創刊し、大人用おむつやユニバーサルデザインフードのやわらか食、栄養補助飲料、減塩食品などを一つにまとめたチラシを隔週で発行している。また北陸3県の生協で構成するコープ北陸事業連合も、「少量・健康・懐かしさ」をテーマにしたシニア向けのカタログ『ゆとろぎ+(ぷらす)』を創刊し、高齢者世帯でも食べきれる少量パックや電子レンジでの調理に対応した商品をラインナップしている。
一方、通販業界でも『ずっと、ときめくカタログ』(ディノス・セシール)、『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)、『暮らしの快適通信』(日本文化センター)、『旅友ショッピング』(クラブツーリズム)など、シニア向けカタログは増加の一途を辿っている。
最近では、新規でシニア向けのカタログ通販に取り組む企業や、異業種間のコラボレーションも目立っている。たとえば、大手ホームセンターのカインズはシニア向けカタログ『たすかる便』を、交通新聞社は60歳以上が対象の『ジパング倶楽部』、全国信用金庫チャネルは熟年生活応援マガジン『はいから』、居酒屋大手で高齢者向けの宅食サービス事業を展開するワタミは『宅食らいふ』を発行するなど、シニア通販を強化する企業が増えている。中でもワタミの『宅食らいふ』は、有料のシニア女性向け雑誌を発行する㈱ハルメク(旧いきいき)との提携により、自社の食品だけでなくハルメクが取り扱う衣料品も掲載し、ワンストップで販売できる通販システムを確立している。
シニア世代は、対話や結び付きを大事にするため、通販においてもコミュニケーションが何より重要となる。とくに生協や宅食サービスは、配送員が自宅を訪れて直に商品を手渡すことができるので、大きなベネフィットがある。このようなシニア向け媒体の増加は、我々にとっては有力なBtoB 先が増えるということであり、その動向に注目している。