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戦略・戦術

第239号 「ヤマトショック」と「郵便料金値上げ」

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 いま、巷で話題となっているのが「ヤマトショック」だ。ヤマト運輸が取扱数量の急増と労働力不足から、宅配便サービスの一部見直しと、配送料の値上げに向けて動き出しているのだ。これは一般消費者にも影響する話であるだけに、業界を超えて社会の大きな関心事となっている。
 
 一方、郵便料金も、定形外郵便物とゆうメールの規格外、そして通常ハガキが今年6 月1 日から値上げとなる。今回の値上げで、とくに通販会社の痛手となるのが通常ハガキだ。現行の52 円から62 円( 往復ハガキは104 円から124 円)と10 円の値上げ幅で、1 枚につき119%のコスト増となる。
 
 今までハガキは低コストで出すことができるため、様々な用途に利用されてきた。休眠客の掘り起こし、季刊カタログ発行までのつなぎのDM、コミュニケーションツール等として、また単品通販会社は、メインの販促展開にハガキDM を利用しているところも多い。それだけに、このハガキの値上げについては、代替ツールがないだけに通販各社はDM 戦略の見直しを余儀なくされている。
 
 この「ヤマトショック」と「郵便料金値上げ」は、通販会社にとってはコストアップを迫られる深刻な事象だが、泣き言ばかりも言っていられない。これからは、費用対効果を踏まえてDMツールにバリエーションを持たせたり、精度を上げたターゲット設定により発送通数を絞り込んだりと、更なる企業努力が問われている。
 
 しかし、それにも限界がある。商品にコストアップ分を転嫁せざるを得ないこともあるだろう。そんな悩ましい状況にある時こそ、原点に戻ってほしい。価格や送料に左右されず、「この商品がほしい」と思ってもらうためには何をすべきか―。今後は、さらに付加価値作りと創意工夫が重要になってくる。
 
 
 
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