リーダーは、自分の志していることの発信を多くの場面で求められます。自分が専門として毎日やっている事になればなるほど、業界の専門用語を特別に意識することなく使ってしまいます。しかし、この専門用語を多用すればするほど、一般の人には伝わらなくなります。専門用語は特定の意味を正確な言葉で表すシンボルのような役割を持ちますので、便利ですが、両刃の剣になります。
「6歳の子どもに説明できなければ、理解したとはいえない」
「相対性理論」を発表した現代物理学の父とも呼ばれるアルベルト・アインシュタインが残した言葉です。言葉は、相手に伝わり、理解してもらうことが前提である以上、伝える人は、一般的な言葉を用いることが、好ましいでしょう。
6歳の子どもの発達段階としては、相手の目を見て話す事、聞く事ができるようになり、論理的な考えができ始める時です。会話のキャッチボールは出来ますが、専門用語の理解は到底難しいでしょう。
アインシュタインの言葉を私なりに解釈すると、
「平易な言葉で、自分の脳の中を整理できていなければ、物事の本質を理解しているとはいえない。その説明したい物事を自分がどれだけ理解しているかは、6歳の子どもが納得できる言葉で説明してみれば、自ずとわかるよ」
ということではないかと思います。
伝える人は、人一倍その事柄について理解している必要があります。そして、深く理解するためには、情報が整理されていることが大事です。物事には、様々なことが複雑に重なり合っていることが多いですが、本質を捉えるためには、まず情報を簡潔に整理する能力が欠かせません。
この情報の整理する能力は、脳の「理解系脳番地」が主な役割を担っています。物事を捉えるのが上手い、人への説明が上手い言葉の整理力に長けた人は、この理解系脳番地がよく成長しています。反対に、話が前後して、説明が回りくどくなってしまう人では、理解系脳番地の成長が未熟である場合が多いのです。
頭の中で情報を整理することが苦手な場合には、1つ、専門用語などのキーワードを選んで、6歳の子どもに説明するように、書いてみてはいかがでしょうか。
例えば、MRI(エムアールアイ)は、maginetic resonace imaging、磁気共鳴画像法という撮影法を意味しています。しかし、実際には、専門家以外は、MRIが撮影法の技術を表すとは考えていないでしょう。通常、MRIは、磁気共鳴画像法で撮影された画像そのもの、つまり、イメージそのものを表す用語として使われています。すでに一般に普及していることで、「磁石を使って体の中を写真にとれる」「人が磁石の中に入って寝ているだけで体の中が見える」など説明してみます。
そこで、トップに立つ人ができる今月の月刊脳番地トレーニングは、
「単語を決めて簡単に説明してみる」です。
是非、この脳トレを1日1単語実行して、今月は、伝える力の脳トレを磨きましょう。
経営者と社員の脳の健康のために!