新聞の発行部数の減少と共に、折込広告の市場規模が縮み続ける一方で、凸版印刷の「Shufoo!(シュフー)」をはじめとする電子(Web)チラシの利用者が増えている。この電子チラシは、スマホや タブレットに対応したアプリにより、地域のスーパーやドラッグストア、ホームセンター、小売店などのチラシを閲覧できるサービスで、セール情報やクーポンなどのプッシュ通知も可能だ。
前身のサービスから17年の歴史を持つシュフーの月間利用者は、1,000万人(対前年比28%増) にのぼり、ページビュー数も3.7億PV/月と、電子チラシポータルとしては最大規模となっている。利用者の7割強が女性で、そのうち30代~40代が63%を占めている。居住地域や帰宅時間に合わせてお得情報を提供することで、「新聞をとっていないけど折込チラシは見たい」「外出先や退勤途中の空いた時間にチラシを見たい」という忙しい主婦らの支持を集めている。シュフーの料金体系は、1チラシPVあたり10円という従量課金がスタンダードプランで、このほか、全国エリア向きの定額プランも用意している。
20代~30代を中心に、検索よりもスマホアプリやSNSで情報を得る消費者が増え、従来のマーケティングでは彼らの需要を捉えきれなくなっている。そのため年齢や性別、住む地域を指定し、対象となる利用者の帰宅時間などを踏まえたベストなタイミングで情報発信するなど、より確度を高めたマーケティングが重要になってきている。
かつて新聞折込チラシは、新規顧客獲取の有効な手段だったが、CPO値の改善はもはや見込めない。一方この電子チラシは、ニュースサイトやSNSで配信したり、LINEやクレディセゾンと連携する取り組みを始めるなど、主婦を中心に認知度も高まっており、さらなる市場拡大が見込まれている。今後、化粧品通販を中心にその活用が拡がっていくはずだ。